実は、もっと行き先が複雑な路線もあるのだ。名古屋鉄道の名鉄名古屋駅では、北に行く岐阜・犬山方面で「11種類」、南に行く豊橋・常滑方面で「19種類」も行き先がある。しかも、名鉄の場合、それぞれの行き先に「普通」・「準急」・「急行」・「特急」に分かれ、それぞれ停車駅が異なる。これらの電車が上り下りの区別なく、ひとつのホームで行き来するので、実に紛らわしい。

 さらに、列車編成も2両から8両までと多岐にわたり、それに応じてホームで並ぶ位置を変えなければならない。それでも、名古屋の人々は、自分の行きたい駅にあわせてそれぞれ柔軟に対応できているようだ。

 ただ、名古屋に比べると、乗客が多い東京。JR東日本の“名鉄現象”に東京人がすんなり対応するのは難しいかもしれない。

(ライター・河嶌太郎)