有力校のひとつ、静岡には鈴木将平(10個)、内山竣(8個)という俊足選手がいる。チーム盗塁数も35で出場校中ナンバーワンだ。投手力に不安があるが、昨年の夏の甲子園に出場したレギュラー野手5人が残っているので、優勝を狙える力を持っていると考えていい。

 総括すると、実力で上位に数えられるチームは仙台育英や健大高崎、常総学院、二松学舎大付、静岡、県岐阜商、敦賀気比、龍谷大平安、天理、大阪桐蔭の10校。これにくわえて、セイバーメトリクス的な要素を考慮すると、木更津総合や宇部鴻城、英明、九州学院、糸満も無視できない。最後に、四死球や盗塁、失策、与四死球率、奪三振率の上位記録を紹介したので参考にしてほしい。

 スポーツ紙では報じないこうした見方で観戦すると、もっと高校野球が楽しめるかもしれない。

(スポーツライター・小関順二)

【打者の四死球数】
仙台育英   71
立命館宇治  67
宇部鴻城   67
九産大九州  63
天理     57
敦賀気比   55
浦和学院   51
静岡     51
九州学院   50

【盗塁数】
静岡     35
豊橋工    34
松商学園   32
仙台育英   29
糸満     25
常総学院   24
健大高崎   24
木更津総合  23
県岐阜商   22

【野手の失策数】
大阪桐蔭   2
近江     2
木更津総合  4
常総学院   4
天理     5
米子北    6
糸満     6
二松学舎大付 7
英明     7

【投手の与四死球率】
高橋純平(県岐阜商)  1.42
金城乃亜(糸満)    1.46
坂口大誠(奈良大付)  1.52
田中寛大(英明)    1.59
杉内洸貴(今治西)   1.66
伊沢由紘(桐蔭)    1.69
平沼翔太(敦賀気比)  1.83
鈴木昭汰(常総学院)  1.84
川井智也(健大高崎)  1.85
伊勢大夢(九州学院)  1.93

【奪三振率】
田中誠也(大阪桐蔭)  11.68
佐藤世那(仙台育英)  9.57
高橋純平(県岐阜商)  9.24
上西嵐満(宇部鴻城)  8.88
大江竜聖(二松学舎大付)8.72
平沼翔太(敦賀気比)  8.50
高橋奎二(龍谷大平安) 8.07