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東京で暮らし、働くことの“コスト”は?地方在勤のススメ

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移住促進イベント「地方移住クリエイターサミット in TOKYO」で登壇した経済ジャーナリスト・木暮太一氏

移住促進イベント「地方移住クリエイターサミット in TOKYO」で登壇した経済ジャーナリスト・木暮太一氏

 3月1日に、地方で働くことを考えるイベント「地方移住クリエイターサミット in TOKYO」が東京・竹橋にて開催された。同イベントは、移住促進政策に積極的な福岡市が主催する企画。北海道から沖縄まで地方で働くクリエイターを招き、地方で働くことに関するトークセッションなどが行われた。

 イベント会場に足を運んだ人は約100名。クリエイター向けの移住促進イベントということもあり、参加者はグラフィックデザイナーや建築デザインを手がけるフリーランサーなど。職業柄、移住のしやすい人が集まった。

 イベントには、経済ジャーナリストの木暮太一氏が登壇。地方移住のススメをこう説いた。

「多くの方は、『仕事』を考えるとき年収にしか目を向けていません。それに対する労力や生活費、ストレスなどの“コスト”がどれくらいかかるのかに関しては無頓着。だから皆、東京で働くことに固執する。たしかに東京だったら(地方より)稼げる、東京だったら(地方より)仕事がある。ですが、東京で仕事をすることで、どれくらいコストが必要となっているのでしょうか。そのコストを差し引き、自分の中にどれくらい充実感が残るか。その差額を僕は『自己内利益』として定義していますが、そこを重視すると地方で仕事をすることって、すごくアリだと思うんです」

 例えば通勤時間。東京で働く人にとって“深刻なコスト”といえる通勤時間だが、総務省発表の「社会生活基準調査(平成23年)」によると東京を含む関東大都市圏の1日の平均通勤・通学時間(平日の片道)は49分。これは人口100万人以上の都市が含まれる全国7大都市圏でも最悪だ。一方、7大都市圏でもっとも“コスト安”なのが福岡・北九州都市圏。こちらの通勤・通学時間は1日片道34.5分。また福岡・北九州地域は家賃も安く、さらに消費者物価指数も低い。全国20大都市(相模原市を除く政令市と東京都市部)で、家賃を除いた総合物価が最も低い都市が北九州市、そして福岡市が2位となっている。こうしたコストの少なさが、自己内利益を高める大きな要因となりえるのだ。

 さらに小暮氏は「心のエンジン」という言葉を用い、地方移住の心得をこう語る。

「地方移住を考える上で、僕がいつも重要視しているのが、『心のエンジン』です。手段の前に目的がある、目的の前に理念がある、理念の前に『心のエンジン』がある。業種、職種を選ぶ前にその仕事を通して自分は何をやりたいかという目的があるはず。さらに、その目的の前に“こういうことを達成したいから、こういうスキルを身につけたい”、“こういうふうな人間になりたい”という理念があるはずです。ただ、その理念の前に自分が本当に心を動かされる、突き動かされる『心のエンジン』というものがある。移住をするにしても、まず自分が心を動かされなければ意味がない」

 漫然と地方の生活に憧れ、“夢”だけを抱いて、移住しても決して成功しない。そうではなく、自分の心を動かす力がなければ移住は成功しないと小暮氏は言う。

 同イベントでは、その他の移住体験者らも登壇。参加者らは、登壇者の生の声に、耳を傾けていた。彼らのうち、どれくらいの人が実際に移住するかはわからない。しかし、移住するにせよ、しないにせよ、「自己内利益がもっとも高まる場所」はどこか、皆一様に自身に問うたに違いない。


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