おでんの具材ランキング(スタイラス株式会社調べ)
おでんの具材ランキング(スタイラス株式会社調べ)

 コンビニに立ち寄ると、暖かそうなおでんの湯気とダシの香りに引き寄せられる人も少なくないだろう。

 今では当たり前になった“コンビニおでん”だが、1979年にセブン―イレブンが販売を開始したのが最初だとされている。当初は冬季限定販売だった“コンビニおでん”だが、今では一年中購入することができ、ますます身近な食品になっている。

 スタイラス株式会社(東京都千代田区)は、同社が運営している女性向け口コミ会員制サイト「gooppy」(グッピー)で、「寒い日に欲しくなる!好きなおでんの具材」アンケートを実施している。1位に選ばれたのはやはり、人気の「大根」だった。2位に200ポイント以上の差をつけてランクインした大根。選ばれた理由として、おでんのダシがたっぷり染み込んだ大根のおいしさを推すコメントが多い中、「おでんは、練り製品が多く野菜が少ないので、栄養バランスを考えると外せないです(大阪府・女性)」と、定番具材の中で数少ない野菜である点を評価する声も複数みられた。

 続いて2位、3位に選ばれたのは「玉子」「こんにゃく」。ともに“おでんの名脇役”といった風情で、上位ランク入りは少し意外な結果だった。玉子を選んだ人の多くは大根と同じくダシが染み込んでいる点を評価し、こんにゃくを選んだ人はプリプリの食感を推す声が大多数を占めた。

 4位の「はんぺん」と5位の「牛スジ」は、ともに地方色の強い具材。従来、はんぺんは主に関東圏、牛スジは主に西日本で食べられていたおでん具材だったが、“コンビニおでん”に採用されたことで、ほぼ全国で食べられるようになった。コンビニによって食文化が広がった一例といえそうだ。

 特に牛スジは、動物性の脂がダシに染み出すことで濃厚な味を引き出す、関西では重要な具材だ。5位の「牛スジ」と、13位の「牛スジ串」を合わせると、3位のこんにゃくと4位のはんぺんとほぼ並ぶポイント数となっており、その実力が伺える。

 おでんはその昔、味噌を塗って焼く「豆腐田楽」をさしていた。現代の煮込みおでんは、近世頃に江戸で生まれ、串刺しのこんにゃくを煮込んだものに始まり、大根やはんぺんなどが入れられるようになったという。一方、本郷にある、おでんの名店「呑喜」が発祥という説もあり、おでんの謎は深まるばかりだ。