(写真1)カルティエ「クレ ドゥ カルティエ」。自動巻き、ピンクゴールド、ケース径40ミリメートル、4月18日発売予定。193万円(税抜き予価) Photo=Eric Maillet (c) Cartier
(写真1)
カルティエ「クレ ドゥ カルティエ」。自動巻き、ピンクゴールド、ケース径40ミリメートル、4月18日発売予定。193万円(税抜き予価) Photo=Eric Maillet (c) Cartier
(写真2)オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク・オートマティック」。自動巻き、ステンレススチール/ピンクゴールド、ケース径41ミリメートル、11月発売予定。235万円(税抜き予価)
(写真2)
オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク・オートマティック」。自動巻き、ステンレススチール/ピンクゴールド、ケース径41ミリメートル、11月発売予定。235万円(税抜き予価)
(写真3)ボーム&メルシエ「クラシマ」。自動巻き、ステンレススチール、ケース径40ミリメートル、5月発売予定。23万5000円(税抜き予価)
(写真3)
ボーム&メルシエ「クラシマ」。自動巻き、ステンレススチール、ケース径40ミリメートル、5月発売予定。23万5000円(税抜き予価)
(写真4)ラルフ ローレン スポーテイング コレクション「RLオートモーティブ モデル RLR0220710」。手巻き、ステンレススチール、ケース径45ミリメートル、今秋発売予定。126万円(税抜き予価)
(写真4)
ラルフ ローレン スポーテイング コレクション「RLオートモーティブ モデル RLR0220710」。手巻き、ステンレススチール、ケース径45ミリメートル、今秋発売予定。126万円(税抜き予価)
(写真5)フランク ミュラー「ヴァンガード」。自動巻き、ステンレススチール、ケースサイズ44×53.7ミリメートル、今春発売予定。価格未定
(写真5)
フランク ミュラー「ヴァンガード」。自動巻き、ステンレススチール、ケースサイズ44×53.7ミリメートル、今春発売予定。価格未定
(写真6)会場のエントランスには25周年を記念したオブジェを設置
(写真6)
会場のエントランスには25周年を記念したオブジェを設置
(写真7)外の気温は零下でも、会場内は例年のように活気に満ちていた
(写真7)
外の気温は零下でも、会場内は例年のように活気に満ちていた
(写真8)フランク ミュラーはジュネーブ郊外の自社工房で同時期に展示会を開催
(写真8)
フランク ミュラーはジュネーブ郊外の自社工房で同時期に展示会を開催

 高級腕時計市場の新春到来を告げる国際展示会「ジュネーブサロン」が1月19日から23日までスイスで開催された。「国際高級時計サロン」を意味するフランス語の頭文字からSIHHとも略称されるが、今年で25回目となる。発足当時は4500平方メートルの会場に5ブランドが出展したが、現在では約10倍の広さとなり、世界的な影響力を持つ16のトップブランドが参加する規模に成長している。

 各ブランドの新作動向を2回に分けて紹介するが、その前編としてベイシックで美しい3針モデルをピックアップした。なお、開催直前にスイスフランが急騰したので、円安傾向と合わせて、掲載した「予価」の変更もあり得るのでご了承いただきたい。

◆カルティエ 流麗なフォルムの新コレクション

 名門ジュエラーであり、世界初の本格紳士用腕時計を製作したウオッチメーカーとしても知られるメゾン。今年も高度な装飾技法を施した世界限定のアートピースや、ハイレベルなコンプリケーションが数多く発表されたが、新しいコレクションの「クレ ドゥ カルティエ」(写真1)がこれからの大きな話題になっていくはずだ。

 腕にぴたりとフィットする流麗な曲面のケースフォルムが特長だが、リューズが縦長の四角にデザインされており、サファイアが埋め込まれている。「クレ」とはフランス語で「鍵」の意味で、このリューズの形状と巻き上げる際の動作、そして回したときのカチリという音色から命名されたという。自社開発の新自動巻きムーブメント「1847 MC」を搭載。

◆オーデマ ピゲ 「ロイヤル オーク」にコンビモデルを追加

 八角形でビス留めの独特なベゼルを備えた「ロイヤル オーク」でお馴染みの名門時計ブランド。ラグジュアリースポーツウオッチの先駆けとして1972年に発表されてロングセラーとなったが、93年にはより堅牢で大型化した「オフショア」を追加。人気の高まりに対応してバリエーションを展開してきたが、今年は元祖「ロイヤル オーク」にステンレススチールとピンクゴールドのコンビモデルを追加した。

 自動巻きのメンズ(写真2)とクオーツのレディスがあり、ベゼルとブレスレットのコマの一部がピンクゴールド。グランド・タペストリー模様のシルバーダイヤルにアプライド(植え込み)でピンクゴールドのインデックスを組み合わせており、上品な高級感が特長だ。

◆ボーム&メルシエ 「クラシマ」をスタイリッシュにリニューアル

 1830年に創業したスイスでも老舗の時計ブランド。一昨年は1950年代に人気を集めた手巻きモデルをリファインした「クリフトン」を発表。コンテンポラリーなデザインにクラシカルなテイストを融合させたことで、高い人気を得ている。

 この勢いを背景として、今年は同ブランドの代表的なコレクション「クラシマ」をリニューアル。上品な細身のローマ数字とバーインデックスにブルースチールの時分針は、より直線的でモダンなイメージとなり、格調高い雰囲気になっている。ケース径40ミリメートルのメンズ(写真3)だけでなく、36.5ミリメートルのレディスもあるので、ペアウオッチとしても楽しめる。裏蓋に文字などを彫り込むことも可能だ。

◆ラルフ ローレン インド紫檀による木製ベゼルの新作を追加

 時計では2009年に本格デビューした新進ブランドだが、タイムレス、オーセンティック、ハイクオリティをコンセプトとしてラインナップが急速に充実してきた。

 中でもラルフ・ローレン氏が所有するヴィンテージカーをモチーフとする「オートモーティブ コレクション」の人気が高く、今年の新作13タイプのうち6タイプが同コレクション。2011年にはニレの木をダイヤルにアレンジしたモデルが登場して話題となったが、同じく木製でもインド紫檀をベゼルにしたモデルが追加された(写真4)。丸みを帯びた木目模様が優しいイメージを与える。IWCの手巻きムーブメント“FAジョーンズ”ベースの『RL98295』を搭載。

◆フランク ミュラー ダイナミックな「ヴァンガード」を本格展開

 優美な曲線で構成されたケースの「トノウ カーベックス」で有名なフランク ミュラーは、ジュネーブ郊外の自社工房「ウォッチランド」を会場として、SIHHと同時期に傘下のブランドを集めたWPHH(世界高級時計展示会)を開催してきた。

 昨年は「トノウ カーベックス」を未来的に進化させた新しいコレクション「ヴァンガード」がデビューしたが、よりディティールにこだわり、2015年に満を持して登場する。自動巻き3針モデル(写真5)とクロノグラフで本格展開していくという。また、ハイエンドモデルとして独特の「オフセット トゥールビヨン」機構を搭載した「ヴァンガード グラビティ」も発表されたので、ファンは必見だ。

(ライター・笠木恵司)

※【時計の祭典ジュネーブサロン】現地リポート(後編)はこちら