ポール・マッカートニー、ザ・ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、レッド・ツエッペリンのジミー・ペイジ、ロバート・プラントなど大物ミュージシャンの来日が続いた2014年。その熱狂が冷めやらぬ11月、週刊朝日ムック『ロックの神々』(朝日新聞出版)が発売された。特筆すべきはそのインタビューの多彩さ。ミック・ジャガーはドラッグについて聞かれて、こう語っている。

 「イギリスの警察は一時期、『ドラッグは合法であるべきだ』という見解を出したこともある。でも、僕の意見は、『この問題というのはそれほど簡単じゃない』というものだ。ドラッグを合法にしてしまったら、それに付随した暴力的な犯罪も増えると思うから。また、ドラッグの供給側では様々な暴力的事件が起こっている。メキシコやコロンビアなど、多くの国々が問題を抱えている。だから、ドラッグを合法にするのは大きな国では無理がある。小さなコミュニティーなら可能かもしれないが。そういえば、アムステルダムでマリワナが合法化されているよね。その結果は善し悪しだった。良い結果もあったが、良くない結果もあったということだよね。この問題は現在も引き続き討論されていて、非常に重要な問題だと思うよ。何より供給側の国々で広がっているバイオレンスが、大問題に発展しているようだから」

 ミック・ジャガーが社会問題について真面目に答える一方で、キース・リチャーズのインタビューはゆるりとした雰囲気が伝わるような、穏やかな内容となっている。

 「ミックはマニック(躁状態のような)なんだよ。朝起きたらまず誰に電話しなければならないかを、分かっていないと寝られないタイプさ。俺の場合は朝起きると、『今朝も生きていて良かった!』って思うタイプなんだ。4時間くらいは何もしないね。これはもう変わらない気性なんだよ。変える気もないし、必要もないと思っている。まあ、これでバンドがやれているんだから、いいよな」(キース)

 その他にも来日したペイジ、プラント。20年ぶりにニューアルバムを出したデヴィッド・ギルモア、イーグルス、ブライアン・メイ、死ぬ直前のルー・リードなどの注目のインタビューが目白押しだ。