年収額別:現在のお仕事(離職中の方は前職)の年収額に満足していますか?(画像提供:エン・ジャパン株式会社)
年収額別:現在のお仕事(離職中の方は前職)の年収額に満足していますか?(画像提供:エン・ジャパン株式会社)

 厚生労働省が毎月発表している「毎月勤労統計調査」の6月確報によると、基本給にあたる所定内給与は前年同月比0.2%増の24万2830円となり、2年3カ月ぶりにプラスに転じたという。

 だが、給料アップを実感している人は少ないのではないだろうか。特に、男女の給与格差は変わらず、国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」によると、平成24年度の平均給与は408万円で、男女別では男性502万円、女性268万円という結果となった。もちろん、男性に比べて女性の方が非正規雇用者の比率が高いことも理由の一つではあるとかんがえられる。では、当の女性たちは自身の年収についてどう思っているのだろうか?

 人材総合サービスを提供するエン・ジャパン株式会社(本社:東京都)が運営する、女性向け求人情報サイト「エン ウィメンズワーク」上で、サイト利用者の女性808名を対象に「年収について」のアンケートを行った。

 正社員への転職を希望している女性に、「現在のお仕事(離職中の方は前職)の年収額に満足していますか?」と質問したところ、「不満」「非常に不満」を選んだ人が65%を占める結果となった。年収額別に見ると、意図的に年収を扶養控除の限度額である「103万円以下」に抑えている人を除いては、年収が上がるほど「不満」の比率は下がる傾向にあるようだ。

 具体的には、年収200万円以上250万円未満では「不満」が約8割、年収300万円以上350万円未満では約6割いるのに対し、年収400万円以上では約3割にまで減少。先に記した平成24年度の平均給与額の調査でもある400万円以上になると不満を持つ人が大幅に減少しており、「400万円」という額が大きな境目になっていることが伺える。

 また、「年収に満足している理由」の1位は「希望の生活水準に足りているから」(47%)、一方「年収に不満な理由」の1位は「希望の生活水準に足りていないから」(56%)という結果から、年収に対する満足度は"希望の生活水準に足りているかどうか"が大きく影響するようだ。

「希望の生活水準に足りていないから」と答えた人の中には、最低でも300万円程度の年収がないと生活が辛いとの意見もあった。一方、「希望の生活水準に足りているから」と答えた人の中で目立ったのが、扶養控除の「103万円の壁」と、社会保険の扶養限度額である「130万円の壁」のために意図的に年収を抑えている人たちで、「自分で希望したので」というコメントが多かった。

 ちなみに、満足な理由の2位は「仕事に対する正当な評価だと感じるから」(34%)で、不満な理由の2位は「今後の年収アップが期待できないから」(49%)だった。

 印象的だったのが、満足な理由として「仕事に対する正当な評価だと感じるから」と答えた人の多くが、単純に年収額の高低について述べるのではなく、職場環境や労働時間、自分自身の能力を総合的に評価して、納得している点だ。

例えば、33歳で年収が300万円以上350万円未満の女性は「自分の仕事への対価としては正当だと思うし、更にレベルアップして対価を上げたいと思えるので」とコメントしている。

 給料は多ければ多いほど良いのは当然だとしても、身の丈以上のものを望んでいないかどうか、改めて自分を見直したいものだ。