日中の暑さがようやくやわらぎ、夜には時々すっと涼しい風を感じるようになる季節。装いにも秋を取り入れたいところだが、気温を調節しつつニュアンスを取り入れるのが結構難しい。そしてもちろん、体型もカバーしたい…。
この時期のぽっちゃりさんには、季節の変わり目のおしゃれに頭を悩ませている人も多いだろう。そんなあなたに「秋の入り口」コーディネートの押さえどころを紹介したい。提案してくれるのは、日本橋・サカゼン馬喰町店のスタッフ、重松夕花里さん。大きなサイズの婦人服を幅広く扱い、ぽっちゃり体型ならではのニーズに答え続けるお店だ。
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重松:ワークスタイルとカジュアルスタイルで、それぞれ2パターン組んでみました。『露出する部分を作って全体にメリハリをつける』というのは、一年を通して基本となるポイント。今回はそこに、この秋のトレンドであるスカートや丈の短いトップス、素材感のあるアイテムを取り入れています。温度調節しつつ、今年らしい装いを楽しむヒントになるのではないでしょうか
それでは、お悩み解消コーディネートを、早速チェックしてみよう。
【ワークスタイル/その1】
胸の大きさが気になる人向けの組み合わせ。
形を問わずスカートが流行するということで、ワークスタイルでもスカートを取り入れた。ここで使っているような黒のアイテムは、全体に対する面積が大きければ大きいほど重く見えてしまいがちだが、より強い印象の黒カーディガンで縦ラインを生み出せば、目くらましになると同時に、胸の大きさもカバーできる。
【ワークスタイル/その2】
二の腕が気になる人向けの組み合わせ。
夏によく使った白ボトムを、秋にも引き続き活用する。流行が予想されるモノトーンを取り入れ、夏の素材でも色で季節感を。この秋にはモノトーンのほか、ネイビーと白の組み合わせも流行しそう。腕部分で柄が切り替わるタイプのトップスだと、二の腕をすっきり見せられる。
【カジュアルスタイル/その1】
ヒップが気になる人向けの組み合わせ。
トレンドになりそうなチェックのパンツを取り入れた。腰まわりにストレッチがきいたタイプだとヒップラインがくっきり出るので、カバーのため丈長のカーディガンを。この時、ドルマンスリーブなどのふんわりした型ではなく、できるだけすっきりしたシルエットのカーディガンを使うときれいにまとまる。
【カジュアルスタイル/その2】
足や肩が気になる人向けの組み合わせ。
こちらも夏によく登場したマキシ丈スカートを再利用した。夏の色である白スカートに対し、それ以外の部分で暖色系の秋らしい色を取り入れて季節感をプラス。下半身がすっぽり覆われるので、足の太さも気にならない。また、肩をカバーしてくれるカーディガンには、ビビッドな色をチョイス。差し色になり、華やかな印象が演出できる。
さらに重松さんは、この秋のトレンドについて「いろいろなスカートを試せるチャンスです。体型カバーアイテムとしてよく選ばれるロングスカートやフレアスカートのほか、タイトやミニにもぜひ挑戦を。またトップスでも、編み方や柄の変わったものが多く出るので実際に試着して試してみてください。ぽっちゃり体型の人だと、これらは普段敬遠しがちなアイテムですが、意外と着てみたら大丈夫なことも。おしゃれの幅が広がります」とも。少しの勇気と遊び心が、この秋の装いのキーワードとなりそうだ。
ライター/寺島知春(てらしま・ちはる)