台風の接近を知らせる案内(7月7日 石垣島空港全日空カウンター付近にて 撮影:dot.編集部 北元 均)
台風の接近を知らせる案内(7月7日 石垣島空港全日空カウンター付近にて 撮影:dot.編集部 北元 均)

 沖縄県に暴風雨をもたらした後、日本列島各地に大雨をもたらしながら進みつつある今回の台風8号。この台風8号には「ノグリー(韓国語でたぬきの意味)」という台風には、いささか似つかわしくない可愛い名前がついていることはご存知でしょうか?

 台風はその年の1月1日以降、発生した順番に「1号」「2号」と番号がふられていきます。また、昭和20年代には米国が台風に人名をつけていました。昭和22年の「カスリーン台風」や昭和24年の「キティ台風」などがそうです。さらに、その後、日本列島に甚大な被害をもたらした台風については、上陸地点や被害を受けた船舶の名前がつけられたものもあります。昭和34年の「宮古島台風」や「伊勢湾台風」。昭和29年の「洞爺丸台風」などがそうです。

 ところで、今回の台風8号は、なぜ「ノグリー(たぬき)」なのでしょうか?

 北西太平洋または南シナ海で発生する台風に関する各国の政府間組織である台風委員会(日本ほか14カ国等が加盟)という組織があります。2000年からは、この台風委員会であらかじめ用意され、順番が決められた140の名称(加盟各国語で動物や人名など)を台風に発生順につけています。

 ちなみに、このルールが最初に適用された2000年の台風1号につけられた名前は、カンボジア語でゾウを意味する「ダムレイ」です。140の名称の中には日本語の名前もあり「やぎ」や「てんびん」など、どれも星座の名前となっています。

 今回の「たぬき台風」の次に発生する台風9号は、タイ語で「Rammasun(ラマスーン)=雷神」になります。「たぬき」に比べると「雷神」はいかにも台風らしい名前ですね。他にも中国語の「Fengshen(フンシェン)=風神」などいかにもそれらしい名前もあれば「Muifa(ムイファー)=梅の花」や「Wukong(ウーコン)=(孫)悟空」など台風の名前とは思えないものもあります。

 台風8号は、今夜から明日にかけて日本列島に雨風をもたらしそうですが、「たぬき」にはできるだけ穏やかに通りすぎて欲しいものです。

次のページ