タブレットがもたらすオンデマンド授業への影響とは 〈ASAHIパソコン〉|AERA dot. (アエラドット)

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タブレットがもたらすオンデマンド授業への影響とは

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 情報を様々な形で伝えるITは、教育産業分野でも活用されている。大学や大手塾、予備校などでインターネットを使ったオンデマンド授業を受けたことがあるひとも多いはず。オンデマンド授業は、録画された授業の映像を、教室のモニターや自宅のパソコンなどを利用して、生徒が見たい時に見られる仕組みだ。

 今や当たり前のように行われているこのようなシステム。実は大規模な設備やソフトウエアが必要で、零細の塾や個人塾では導入するのが難しい現状があった。また、授業の収録や配信の準備には知識や手間を必要とし、多忙な教師や塾の講師にとって、とてもハードルが高かった。

 5月21~23日に東京ビッグサイトで開かれた教育関連の最新IT機器やソフトウエアなどを展示する「教育ITソリューションEXPO」では、従来よりも低コストかつより少ない手間で、オンデマンド授業が行えるシステムの展示が多数行われた。そのシステムの一つが、パナソニックグループのヴイ・インターネットオペレーションズ社が提供する「ArgosView 授業配信システム」だ。

 このシステムは、授業の収録、映像の変換、配信を全て自動化することで、スムーズに授業配信をできるようにしたもの。授業に使う教材をアップロードし、生徒の自宅のパソコンやタブレット端末に自動的に配信することもできる。

 また、「ライブ配信オプション」(5月19日発売)を利用することで、授業のようすをリアルタイムで配信することもできる。映像の配信と同時に収録も行われ、リアルタイムで見逃した人に向けたオンデマンド配信もできるようになっている。

 同オプションの設置費用は80万円。ArgosView 授業配信システムのライセンス料やカメラ代などは別途かかる(ライセンス代:4教室の場合200万円)。それほど特殊な機器を使用せず、一つのシステムで複数の教室に対応させることなどでこれでもコストは抑えられているという。 

 オンデマンド授業やライブ授業は、部活動などで忙しい生徒にとっても、時間を有効活用でき、教師・講師の側にとっても負担が減らせる一石二鳥のシステムだ。個人塾などでも安価で簡単に導入できるとなると、大手の塾や予備校に通っていない生徒が受ける授業の選択肢も広がるだろう。また、塾や予備校自体の選択の幅も広がってくる。

 その一方、生徒が直接講師と対話することができないというデメリットもある。例えば、オンデマンド授業に早くから取り組んできた早稲田大学で、教員免許更新講習を受けた生徒からは、「オンデマンドでの学習だけでは不安だと思ってスクーリングに参加した。」という意見もあった。

 パソコンよりも手軽で便利なスマートフォンやタブレット端末が普及してくるにつれ、オンデマンド授業も成熟期を迎えているようす。従来型の対面授業とうまく組み合わせていくことで、より効果的な授業形態が作れるものと期待したい。


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