和製スペースオペラの決定版 劇場版『モーレツ宇宙海賊』、22日から(c)2013 笹本祐一/朝日新聞出版・劇場版モーレツ宇宙海賊製作委員会
和製スペースオペラの決定版 劇場版『モーレツ宇宙海賊』、22日から
(c)2013 笹本祐一/朝日新聞出版・劇場版モーレツ宇宙海賊製作委員会

 笹本祐一さんのSF小説『ミニスカ宇宙海賊』シリーズ(イラスト・松本規之、朝日新聞出版)を原作とするアニメ『劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-』(佐藤竜雄監督)が東京・新宿のバルト9など全国47の劇場で公開される(2014年2月22日から)。『モーレツ宇宙海賊』は、今では珍しくなった和製の正統派スペースオペラで、新しいながらもどこか懐かしい作風でヒットを狙う。

 ところで、スペースオペラとはいったいなんだろう。本来はSFの1ジャンルで、宇宙を舞台にした冒険活劇&メロドラマといった定義が一般的だが、懐かしいところでは『スタートレック』や『キャプテン・フューチャー』シリーズ、日本では『宇宙戦艦ヤマト』あたりを思い浮かべた方が手っ取り早い。しかしながら日本では昨今減少気味で、「SF小説ブームの終息とともに減りつつあるジャンルです」(文芸編集者)という声もある。

 そんななかで今回公開される『モーレツ宇宙海賊』は、宇宙もののお約束である亜空間移動や電子戦、宇宙船同士の砲撃戦などの娯楽要素に、多彩な設定と登場人物が絡む、極めて正統派のスペースオペラとなっている。絵柄は現代的だが中身はかなり硬派なので、従来のアニメファンだけでなく、往年のファンでも楽しめそうだ。

 物語は、父の跡をついで宇宙海賊船「弁天丸」の船長になった女子高生の加藤茉莉香とクルーたちの冒険を描いたもの。劇場版では豪華客船からの依頼を受けた茉莉香たちが、なぞの少年と出会い大冒険と謎の軍隊との戦いに挑むという。2012年1月からテレビアニメが放送され、原作の『ミニスカ宇宙海賊』シリーズは累計34万部を発行している。

 佐藤監督は「広いスクリーンで新たな世界観を加味して作っていくのはかなりハードだったが、その分期待していただきたいです」と出来栄えに自信を見せている。また、原作者の笹本さんも「人も宇宙船も、全てのディテールまでものすごくこだわっている。佐藤監督の代表作になるだろうと思えるものに、原作者として名前が載るのは光栄」とご満悦だった。

【関連リンク】
 劇場版 モーレツ宇宙海賊公式サイト
 http://www.starchild.co.jp/special/mo-retsu/gekijo/

 ミニスカ宇宙海賊公式サイト
 http://publications.asahi.com/minisk/