「Sクラス」なら700万円以上!高級車並の“超高級バスタブ”が売れる理由 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「Sクラス」なら700万円以上!高級車並の“超高級バスタブ”が売れる理由

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ハンドメイドのラタン調カバーでバスタブを覆ったバルカシリーズ(バルカは「小舟」を意味するイタリア語)。小舟に揺られているような安らぎに満ちた時間を提案してくれる。価格:¥2,079,000-(プレーン)

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多彩なバリエーションを誇るカーサシリーズは全42モデル。そのうちのJAXSONのスタンダードモデル「ベンティ」がこちら。入り心地が抜群だ。価格:¥997,500〜

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「ベンティ」は座る場所によってたっぷり浸かれたり、半身浴が楽しめるなど多様なスタイルに応えてくれる。価格:¥997,500〜

「ベンティ」は座る場所によってたっぷり浸かれたり、半身浴が楽しめるなど多様なスタイルに応えてくれる。価格:¥997,500〜

東京・南青山の骨董通り沿いにあるJAXSONショールーム。コンパクトモデルからラグジュアリーモデルまで常時20モデル以上を展示している。

東京・南青山の骨董通り沿いにあるJAXSONショールーム。コンパクトモデルからラグジュアリーモデルまで常時20モデル以上を展示している。

インテリアショップのような落ち着いた雰囲気のショールーム。デザイン性の高いものから定番商品までゆっくりと吟味することができる。

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今や市民権を得た半身浴にJAXSONは早くから着目。こちらのモデルではソファでうたた寝するような心地よさで半身浴が楽しめる。

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【集中連載】アベノミクス効果で伸びる高額消費 今注目を集める高級品の新常識に迫る~Vol.5 名門ホテルがこぞって採用する高級バスタブ(JAXSON)~

「アベノミクス」の影響もあり高額商品市場が活況を呈している。しかし、同じく高額商品が飛ぶように売れた80年代のバブル景気とは様子が違い、ただ「高いもの」ではなく、付加価値を兼ね備えたプレミアムな商品が選ばれているという。今、なぜこの商品が売れているのか。本連載では、高額商品市場から見えてくる消費者のインサイドに迫る――。

* * *

 今、高級バスタブが売れている。一般的なバスタブの単体価格は数10万円とされているが、100万円台のものから、中には1千万円を越える超高級バスタブを購入する消費者が増えているという。そんな高級バスタブ市場を牽引しているブランドが「JAXSON(ジャクソン)」だ。2008年にサミット会場となった北海道のザ・ウィンザーホテル洞爺や東京・丸の内のシャングリラホテル、さらにマカオのMGMマカオホテル、上海のリッツカールトン浦東など、世界中の名門ホテルがこぞって採用するバスタブメーカーである。

 同社の創業は1982年。以来、単なる住宅設備にすぎなかったバスタブをインテリアとして捉え、日本の入浴文化をうまく取り入れつつ独自の解釈とデザイン、さらにジェットやブロア、水中照明など充実の機能を兼ね備えた製品を作り続けてきた。同社が今までに作ったバスタブは実に280種類以上に上る。

 そんな同社の業績は好調で、今年も受注ベースで前年比150%増という大幅な伸びを見せる。同社の古賀聡史代表取締役社長は、販売好調の現状についてこう話す。

 「マーケティングをする上では、昨年あたりから変化の兆しはつかんでいました。それが今年に入って大きく動き始めているといった印象です。不動産市場の状況が良くなり、高額物件の開発が進む中で、法人の契約数が増えているのも大きい。加えて以前から弊社の商品に『いつかはJAXSON』と、ある種の憧れを抱いていただいていた個人のお客様も、ここに来て購入されるようになってきています」

 同社の製品がこれだけ高額なのは製造工程の4割が手作業で行われていることも一因だ。創業者で全製品のデザインを監修する清水秀男会長は、いまだに製造現場に足しげく足を運び、自ら手作業を行っている。そのため清水会長の手はごつごつとしており、彼が現役の職人であることは握手をすればすぐにわかる。同社の場合、注文数は増えているが、一品ずつ手作りで行われている部分も多いため、これ以上のフル稼働は難しい状況だという。古賀氏は「製造の効率化も図りつつ、できるだけリードタイムを縮めていきたい」と語るが、まさにうれしい悲鳴と言ったところだ。

 ちなみにJAXSONの製品は「Sクラス」、「Eクラス」、「Cクラス」とグレードによって大きく3つに分けられる。Sクラスはイタリアの装飾ガラスモザイクタイルのトップブランド「BISAZZA」のタイルを使用したラグジュアリーなバスタブなど、700万台から1000万円以上の超高額商品群だ。一方、もっともリーズナブルなCクラスは60万円台から品揃えがある。そんな中、販売数を特に伸ばしている価格帯は160万円前後のものだという。

清水会長はこの状況をどう見ているのだろうか。

 「そもそも、我々の製品は、今まで景気に左右されるものでもありませんでした。今、景気が上向いたから売れているという側面もないわけではないでしょうが、もっとそれ以上に、消費者の方々の意識の変化があると思います。つまり富裕層が増えて、お金があるから買うというより、一般のお客様の意識の変化があり、以前に増して生活の質を高めるものにより多く投資するようになっている結果ではないでしょうか。お風呂は家族が毎日入るもの。浴室の質が高まれば、生活も豊かになります。200万円以内で、これだけ生活を豊かにしてくれる製品はあまりありません。この会社をやってきて30年、ようやく日本にも本質的な生活の豊かさを求める人が増えてきている……そう実感しています」

 高度経済成長に伴う核家族化で散り散りになった日本の家庭。そこからバブル経済の崩壊、失われた20年、さらに3.11を経て再び家族とのつながりを大切にしたいと考える人が増えている。そんな中で「入浴という行為が重視されてきている」と清水会長は見る。家族とのコミュニーケーションの場所として、さらに自宅でもっともリラックスできる場所としての浴室のあり方が、消費者の間で見直されている傾向があるというのだ。

 「以前、例えば家を建てようとなったとき、キッチンやリビングはこだわっていても、浴室に関してはデザイナーや建築家任せが主流でした。しかし今、施主自ら『こういう浴室にしたい』『こういう機能を付けたい』と希望を仰ってくることが多い。そういう意味では、浴室のレディメイドからオーダーメイドの流れが確実にあります。当然、商品に対して質問をしてくる人も多くなっています。この曲線はなんでこうなのか、このデザインの意味は、とか。買うのにちゃんと明確な理由付けをされるんですね。ご自身がその価値を理解し、さらに満足感を約束されないとお金は出されないのだと思います」(清水氏)

 東京・南青山をはじめ国内に8つ、韓国・ソウルにもショール―ムを構える同社。なんと南青山のショールームを訪れる客の多くが高級バスタブを購入していくという。生活の質を高めるための投資なら、多少値段が高い商品でも構わない…。そんな消費者が多くなっているのは間違いないようだ。


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