※写真はイメージ(GettyImages)
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 私たちは、「将来」や「老後」のことを第一に考え、「いま」やりたいことを我慢して必死に仕事を頑張ったり、お金をひたすら節約したりしがちだ。意識が「いま」に向いていないため、自分が生きている毎日を心から楽しめていない人も少なくないだろう。

 そんななか、限られた時間を有効活用し、「いま」を最大限楽しむメソッドを伝授する『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』が好評だ。読者からは、「正しい生き方を教えてくれる本」「本当に大切なものを再認識できた」という声が続々と寄せられている。本稿では、本書の内容をベースに、老後に備えて貯金し続けた人の「残念な末路」を明かす。(構成/根本隼)

「お金はあるのに心が満たされない」のはなぜ?

「お金をたくさん稼ぎたい」というのは、多くの人に共通する願望だろう。収入が豊富にあれば、好きなことに存分にお金を使えるし、将来への貯蓄も可能になる。

 しかし、お金があるからといって、必ずしも人生を幸せに過ごせるわけではない。稼いだお金を思うように使うための「時間」が足りなければ、宝の持ち腐れだからだ。

「老後のため」に貯金し続けた人の“残念な末路”とは?

 もちろん、目標額の貯蓄を達成したり、定年になったりしたタイミングで仕事を退職すれば、余暇に使う時間はたくさん生まれる。そのことを当てにしながら、「いま」という時間を犠牲にして一生懸命働く人も多い。しかし、『DIE WITH ZERO』によると、そこに「落とし穴」があるという。

 というのも、30代以降は健康・運動能力が徐々に衰え始め、それと同時に、お金から価値や喜びを引き出す能力もゆっくりと低下していくからだ。つまり、年を取ってからお金を使うつもりでいても、気づいたときには、消費によって得られる経験を十分に楽しむ能力が失われてしまっているのだ。まさに、「残念な末路」だ。

 そのため、老後に備えて貯金にいそしむよりも、若いうちから好きなことにお金を使うほうが理にかなっている、というのが本書の主張だ。

 とはいえ、働き盛りのうちは仕事が忙しく、まとまった時間を手に入れるのがなかなか難しいのも事実。そこで、本書より一部を抜粋・編集して、「お金で時間を買う」という逆転の発想を、以下に紹介する。

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