●体につく脂肪は、炭水化物からつくられる

 こうして分解されたブドウ糖は、小腸から血液中に吸収されます。

 そして、血中のブドウ糖が増えて血糖値が上がります。

 このときに、血糖値が上がり過ぎないようにインスリンというホルモンが分泌され、血中に溢れたブドウ糖をグリコーゲンに変え、肝臓や筋肉に蓄えます。

 ただ、その貯蔵量は100~200g程度と限られており、余ってしまったブドウ糖が今度は脂肪に形を変え、脂肪細胞に取り込まれるのです。

 これが、科学的に正しい肥満のメカニズムです。

●「脂肪を食べても太りません!」

 一方で、脂肪を食べても太りません。

 脂肪は、私たちの体に37兆個もあると言われる細胞の膜の材料として、どんどん消費されます。

 ホルモンをつくるためにも脂肪は必須です。にもかかわらず、1日に60g程度しか摂っていないのですから、そもそも過剰にはなりません。

 たとえ摂り過ぎても、そのまま便に出てしまうことが多く、あまり吸収されません。

 脂っこい料理をたくさん食べた翌日、トイレの水に浮くような便が出ることがありますね。

 あれは、便に脂肪が混ざって水より軽くなっているからです。

 このように、脂肪の吸収効率が悪いのに比べ、炭水化物はほぼ100%がブドウ糖として血中に取り込まれます。

 そして、前述したメカニズムによって、私たちの体を太らせていくのです。

牧田善二:医学博士

(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)