キャリーバッグやケージ等に慣らす

 避難所ではケージ等の生活になることが多いので、入ることに慣らしておくことが大切。少しでもペットを落ち着かせるために、普段から使用しているキャリーバッグやケージ等で避難する。また、犬の場合は「待て」「お座り」「伏せ」「むやみにほえない」などの基本的なしつけをしておくことも大切。特にの場合は、避難所ではケージ等に入ったままになりがちなので、少しでもケージ等の外で運動ができるようにハーネスに慣らしておくとよい。

迷子札やマイクロチップの装着

 災害時にはペットが驚いて逃げ出してしまうことがある。首輪に鑑札や狂犬病予防注射済票、迷子札(名前・電話番号を明記)を付けたり、マイクロチップを装着(登録済みか確認)しておくなどの所有者明示が大切。首輪が外れることも考えて、マイクロチップとの併用が望ましい。ペットの写真や画像を用意しておくと、迷子のポスターなどを作成するときに役立つ。

ネットワークを作る

 普段から飼い主同士のネットワークを作っておくと、いざという時に助け合うことができる。例えば、情報を共有したり、足りないものを譲りあったり、被災地外にいれば一時的に預かってもらうことができる。飼い主に万が一のことがあったときでも、ペットを託せるような協力体制を築いておくことが大切。地震の直後は、携帯電話がつながらず、LINEが大いに役立った。

家族で防災会議をしておく

 災害が起こったときの連絡方法や集合場所の確認、留守中の対処方法の確認、緊急時のペットの預け先の確保など家族全員で話し合い、情報の共有をしておこう。避難場所と避難経路の確認、日頃からペット同伴の避難訓練に参加しておくことも大切だ。また、住まいの耐震強度の確認や家具の固定など、人とペットが生き残れる安全な場所(隙間)を確保する。ペットのケージ等は設置する位置や強度も考えよう。

■災害時の備えは複数の場所に用意する

 熊本地震で被災した飼い主に取材をした際に、「災害時は玄関から出られるとは限らない。靴やペット用品の備蓄、首輪やリード、キャリーバッグ等は、同じものを3カ所くらいに用意しておくとよい。できれば1カ所は家の外の物置などが望ましい」と聞いた。

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家の中での行方不明を想定し、ペット残留情報カードを準備