それは、EPAやDHAといった肝心の成分が油に逃げてしまい、代わりに、衣と身が揚げ油をたっぷり吸い込んでしまうからです。

 油の吸収率を表す目安に「吸油率」があります。

 あじフライの吸油率は22%です。

 ちなみに、エビフライ1尾の吸油率は13%、ポテトコロッケ1個の吸油率は8%です。これらの食べ物と比較をしてみると、あじフライが、いかに吸油率の高い食品か、おわかりいただけるでしょう。

 おうちで揚げ物を食べるなら、あじフライより「とんかつ」をおすすめします。

 とんかつの豚肉には、あじと同様、タンパク質やビタミンB群などやせる栄養素が豊富です。しかし、フライにすると、とんかつとあじでは大きな差が出るのです。

 まず、カロリーを比べると、あじフライは1人前につき2尾程度なので、560キロカロリー。

 一方、とんかつは、1枚約100グラムで497キロカロリー。意外にも、とんかつのほうがカロリーが低いのです。

 糖質を燃やすビタミンB1の量は、あじフライ0.24ミリグラムに対し、とんかつ0.83ミリグラムと、とんかつのほうが3.5倍近く多いです。

 吸油率に関しては、あじフライ22%、とんかつ14%と、やはりとんかつのほうが優秀なのです。

 魚より肉の揚げ物のほうが太りそうなイメージがありますが、揚げ物にすることによって、真逆の結果になることもあるということです。

 ちなみに、あじと同様、いわしやさばなどの青魚にはEPAとDHAが豊富です。しかし、揚げ物にすると、油に溶け出してしまいます。青魚は、揚げ物ではなく、「刺身や焼き魚で食べる」のが太らないコツです。

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ハンバーグと豚テキ、太りにくいのは?