紙なのか電子なのかは、利用する予約サイトや旅行会社で異なる。例えば、楽天トラベルは紙クーポン、一休.comは電子というように分かれる。紙クーポンは、旅行会社や宿泊するホテルで受け取るので、さほど面倒はない。種類は1000円券のみで、使うときは支払時にレジで出せばいい。

 問題は電子クーポンだ。チェックイン当日15時以降に、代表者が電子クーポンサイトにアクセスし、旅行会社等から案内された情報を入力してクーポンを発行する必要がある。金額は1000円、2000円、5000円の3種類があり、使うときはスマホからクーポンサイトのマイページにログインし、対応店舗でQRコードを読み取り、ちなみに読み取れるブラウザにも指定があって――と、なかなかややこしい。はっきり言って、旅行大好きなシニア層にはハードルが高い気がするし、筆者自身もくじけそうだ。

 そして、最大の問題は、「電子クーポンに対応している店が限られる」ことだ。

■旅行先で使いたくても使えないかも?
 
 肝心なことだが「地域共通クーポン」には有効期限がある。使えるのはチェックアウトの日までで、1泊2日旅行だとすれば宿泊日の翌日中に使い切らないと無効となる。それならせっかくだし旅行先での飲食やお土産代に使おうかとしたときに、対応している店が限られる「電子クーポン」だと厄介なのだ。

 クーポンがどこで使えるかはGo Toトラベル事務局サイトでマップ検索ができる。しかし、「紙クーポン」「電子クーポン」の両方が使える場所ばかりではない。普段よりもゴージャスな旅行と奮発した結果、相当な金額のクーポンを受け取っても、使える場所が限られ、しかも期限は短いとなると、電子クーポンが使える店で無理やり消費することになりかねない。逆に、電子クーポンが使えない店が多ければ、地域にお金を落とすことができなくなる。もし「Go Toトラベル」を延長するなら、電子を紙クーポン発行に切り替えた方が、地方活性化には貢献するはずだ。

 しかも、先頃宿泊予約しておきながら無断キャンセルし、電子クーポンだけを不正に入手するという悪質な手口が確認されているという。デジタル推しの政府には申し訳ないが、延長するなら、次は紙で統一してはどうか。

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近隣に旅行し、クーポンは家の近所で使い切る