●衛生管理や医療体制などコロナ対策も徹底

 クルーズ旅行と聞いてイメージするのは、セレブたちが着飾り、毎晩ダンスパーティーを繰り広げるという、まさに映画『タイタニック』のような旅行だろう。しかし、現実はまったく違うとくぼ氏は言う。

「たまに『仮面はどこで買ってるの?』と聞かれますが、仮面舞踏会を毎晩やるわけではありません(笑)。メインダイニングなど短パン、サンダルは禁止の場所はありますが、多くの場所はラフな格好でも大丈夫。ただ1週間乗船したら、2日くらいフォーマルデーがあるので、その日の夕食時だけフォーマルな格好はしないといけません。とはいえ女性ならワンピース、男性ならシャツにスラックスで十分ですよ」

ここまで聞けば、十分にクルーズ船の魅力は伝わるが、やはり気になるのは感染の危険性である。しかし、くぼ氏によるとクルーズ船の衛生面は以前から徹底していたという。

「船内のいたるところにアルコール消毒が置かれていましたし、寄港地から船に戻るときやレストランに入る前にも手の消毒を促されます。コロナを経てから、紙からデジタルへの移行、船内でPCR検査キットを完備、隔離用の客室の確保など新しいルールも追加されています。まだコロナに関してわからないことも多いですが、できる限りの衛生管理は徹底していると思います。各船会社のウェブサイトでも対策に関して詳細が記載されており、ソーシャルディスタンスを保つための方法や消毒のルールなどが新たに公開されていますので、ご覧いただくと安心していただけるのではないかと思います」

 また、船内には医師や看護師はもちろん常駐し、簡単な手術をできる医務室も設置されていたという。

 最後に、くぼ氏に初心者でも楽しめるおすすめのクルーズ船を聞いてみた。

「コスタクルーズはカジュアル船の中でも値段が安いです。イタリア船籍なので、ワインやパスタが充実しており、船内にピザの石窯がある船もあります。クルーも陽気な人が多く、すごく楽しい雰囲気です。あとはロイヤル・カリビアンという会社の船はエンタメが充実しています。船内にロッククライミング、ゴーカートなどがあって、遊びきれないほどです。日本ではまだまだクルーズ旅行の知名度が低いですが、行けば絶対にハマると思います」

 コロナ収束後の旅行の選択肢として、「船旅」を入れるのもアリかもしれない。