●海外から見た日本は「動物愛護の三流国」

 お上がその気になれば、ブリーダーを免許制の職業にする、あるいは飼育施設や繁殖回数に厳しい規制を設けるなどいくらでも対処法はあるように思えるが…。

「動物愛護部会に参加している有識者の中には、ペット業界で影響力のある企業や団体の方々もいますので、時に何らかの圧力などが働いているのではないかと聞くこともあります。ブリーダーに厳しい規制がかかれば、業界全体が打撃を受けることになりますから、なかなか一筋縄ではいかないというところでしょう。

 残念ながら、動物愛護という観点では、日本は海外から“三流国”といわれています。実際に私も欧米のブリーダーからを譲ってもらおうと問い合わせをしたことがあるのですが、『意識が低い日本になんて絶対に譲りません』と断られました」

 いまこの瞬間も、新たな命が生まれては大量廃棄されている。そこに生命の尊厳はなく、ただ“物”として命が間引かれているのだ。

(岡田光雄:清談社)