総合力を問われる受験勉強において大事なのは、「苦手を潰していく」ことです。

 受験は、自分のリソースを各科目にどう配分して合格点まで到達するかというゲームでもあります。

 その配分においては、「伸びしろ」に着目しましょう。

 得意科目なら、80点から90点に伸ばせても加点は10点ですが、不得意科目は50点から70点にというように加点を大きくできます。つまり、伸びしろが大きいのです。

 それに、80点から90点に伸ばすためには、ほとんど出題されないような、かなり細かい部分までカバーしないといけません。一方、50点から70点は基礎固めをきっちりしていけば達成できます。

 伸びしろという面で考えても、勉強範囲という面で考えても、苦手を潰していくほうが合理的なのです。

 だから、いかに不得意科目を人並みにもっていくか、それをさらに伸ばしていくかしだいで合否が決まってくるともいえます。

 僕はもともと国語と英語は得意だったので、その分、不得意な数学にリソースを集中させました。そのとき、一番こだわったのが「人が解ける問題を落とさない」ということです。

 一部の人しか解けないような難しい問題は端から捨てて、多くの人が解ける基本的な問題、「これを落としたら差をつけられてしまうな」と思える問題を確実に解けるようにしていったのです。

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東大受験対策として「過去問」をひたすらに解いた