●ステップ3:カウンター(調理台)のスペースは空けておく

 左側の残りのスペースは空けておく。考え得るタスクを全部書いてスペースを埋め尽くしたい気持ちはわかるが、バーナーリストをつくる目的は、紙面を効率よく埋めることじゃなく、時間とエネルギーの有効活用だ。
 ここに空白があると、最優先プロジェクトの新しいタスクをどんどん書いていけるし、同じくらい大切なこととして、周りに余白があると、重要なことに集中しやすくなるというメリットもある。

●ステップ4:2番めに大事なプロジェクトを奥のバーナーに置く

 右側のいちばん上に、「2番めに大事なプロジェクト」の名称を書いて下線を引き、タスクをその下に書き出す。
 要は、コンロで料理をするときと同じように、時間と注意を振り分けるということだ。注意を集中させるのは主に手前のバーナーだが、奥のバーナーのことももちろん意識して、ときどき鍋をかき混ぜたりパンケーキをひっくり返したりする。だがメインはあくまで手前のバーナーだ。

●ステップ5:キッチンシンクをつくる

 最後に、右側の下半分に、最重要プロジェクトや2番めに重要なプロジェクトとは無関係だが、やらなくてはならないタスクを書き出す。3番め、4番めに重要なプロジェクトに関連するタスクであれ、それ以外のタスクであれ、全部一緒くたにキッチンシンクに放り込む。

 バーナーリストには、何でもかんでも書き入れるスペースはないから、重要でないものを切り捨てなくてはいけない。だが先にも言ったように、そこがいいのだ。

 大きなプロジェクトが1つと、小さなプロジェクトが1つ、その他の雑多なタスクがいくつか。これが、僕が一度にやれる(またはやるべき)ことのすべてだ。1枚の紙に書き切れないことは、生活にも入り切らない。

 バーナーリストは使い捨てで、やること項目をいくつか終えるたびに捨ててしまう。僕はたいてい数日ごとにリストを捨て、そのつど新しいものをつくり直している。

 リストをつくり直すという行為が、このリストの売りだ。重要でなくなった未完のタスクを切り捨てられるし、いまの時点でどのプロジェクトを手前と奥のバーナーに置くかを改めて考え直す機会になる。

 最優先のバーナーに置くのは仕事のプロジェクトのときもあれば、私的なプロジェクトのときもある。状況が変化するのはあたりまえだ。このリストで重要なのは、手前のバーナーに置けるプロジェクトは一度に1つだけということ。

 それじゃ、料理を始めよう!

(本原稿は、『時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』<ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー著、櫻井祐子訳、ダイヤモンド社>からの抜粋です)

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僕らは何者で、これはいかなる本か?