運営側が対応しきれないほど禁止出品物が出品される状況を見れば、現状の運営方法に限界があるのは明らかだ。

 抜本的な対策として、さらに精緻な検知システムの構築、あるいはカテゴリの縮小・廃止なども手段の一つになるかもしれない。

 だが後者については、メルカリ事業のうち、「メイク美容」は売上高の6%と5番目に大きいカテゴリであり(2019年6月期第3四半期)、法的に問題がなければ、できれば現状を維持したいというのが本音だろう。

 ただ、法規制が後から進むこともある。記憶に新しいのが、不正転売チケット問題だ。チケット転売サイト「チケットキャンプ」の不祥事により高額転売防止の機運が高まり、今年6月14日からチケット不正転売禁止法が施行された。

 この法律により、今までは罪に問われなかった転売サイトが「仮に不正転売に助力したと認定されれば、当該法律の幇助犯として罰せられる可能性は、理論上ある」(植松氏)ことになった。もし仮に、違法出品物の購入で健康被害が実際に出た場合、法規制の方向に進むということも十分あり得る。

「チケットキャンプ」運営会社フンザの親会社だったミクシィは、同社の清算で約77億円の特別損失を出している。

 違法出品はフリマアプリに埋まる地雷だ。健全なCtoC市場を構築するために、トップランナーとしてのメルカリの姿勢が問われている。

(ダイヤモンド編集部  相馬留美:記者)