●島根県、福井県が大躍進!「地元をとても誇れる」人が10ポイントも増加

 今回注目したいのは、自慢度の点数が大きく上昇した島根県と福井県だ。前回23位だった島根県はポイントをこの1年で10.5ポイントもアップさせ(40.9→51.4)、8位となった。前回39位の福井県は、17年から10.6ポイントもアップし(32.8→43.4)、17位にランクインした。

 この2つの県は愛着度の点数も前年から伸びており、島根県は9.7ポイント、福井県は7.7ポイントの上昇が見られた。

 自慢度とも大きな関係のある愛着度に関して見ていくと、福井県は「とても愛着がある」と答えた人が16年には15.5%しかいなかったにもかかわらず、17年には20.8%、そして18年には31.4%へとたった2年で倍増。島根県に関しても、17年には「とても愛着がある」と答えたのは27.9%だったが、18年には41.8%にまで上っている。

 では、自慢度と愛着度が上がった島根県と福井県は、どういった点を「誇れる」と考えているのだろうか。各都道府県の出身者に聞いた出身都道府県の誇れる点を聞いたランキングをチェックしてみよう。

 まず、福井県が1位になったのが「子育てがしやすい環境」ランキング。福井県は、前年も2位と安定して上位をキープ。さらに、「教育(教育機関・博物館等の施設など)が充実している」ランキングでも2位と、子育て・教育の面で地元の人が誇れる県といってよさそうだ。

 島根県が1位になったのが「人のよさや優しさ、おもてなしがよい」ランキングだ。この1年で31.8から47.6へと点数を伸ばし、前年8位から大きく順位を上げた。また、福井県も同ランキングで前年16位から順位を上げて、7位にランクインした。

 同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長が「島根県出身者にとって、島根県は自慢だらけ」と語るように、島根県は出身都道府県の誇れる点を聞いたランキングの複数の項目で、ベスト10入りをしている。

 例えば、「伝統芸能、祭り、イベントがある」3位、「誇れる街並みや歴史建造物がある」4位、「誇れる美術館・博物館がある」4位、 「優れた伝統芸能的技術がある」5位、「海・山・川・湖などの自然が豊か」7位など、だ。

「『自然が豊かなこと』を島根県の82%の人が誇れると回答しており、ランキングでも7位に入っていますが、残念なことに地域外の人に『自然が豊か』なイメージのある都道府県を聞いたランキングでは19位。また、自慢度で1位になった『人のよさや優しさ、おもてなしがよい』も、地域外のイメージでは20位です。外部評価よりも内部評価が高いというのが、島根県の特徴といっていいかもしれません」(田中社長)

 地元の人だからこそ知っている自慢の場所や物を、自分たちのものだけにしておくのもいいが、せっかくだから地域外の人に知ってもらいたい人も多いはずだ。自慢度ランキングでは上位だけど、魅力度ランキングではあまり上位に食い込めていない都道府県は、外にも魅力を発信していく工夫がもっと求められそうだ。

(ダイヤモンド・オンライン編集部 林 恭子)