●積み立てていても万が一に対応できなければ意味がない

 ところが、さまざまな制度を利用して積み立てているお金は、売り時じゃない時に売らなくてはいけなくなってしまったり、積み立て始めてからの期間が短いと、メリットを享受できないものだったりします。

 また、すぐには引き出せないもののあり、貯蓄がなければ、自分自身や両親に万が一のことがあったとしても、すぐには対応できません。そのため、1200万円あっても借金をしなければならないといった、本末転倒な事態に陥る可能性もあります。急な出費に対応できないのであれば、何のための蓄えなのか分からず、老後よりも今の生活の方が心配になります。

 将来を見すぎると、きりがありません。であれば、今できる範囲のことをしっかりとやっていくことがベストだと思うのです。焦らず、そしてバランスよく将来の資金を作ってほしいと思います。

(家計再生コンサルタント 横山光昭)