●1200万円積み立てた結果 生活費が足りない事態に

 また、財形貯蓄もしていて、非課税制度を利用できる住宅財形を利用しています。若い頃に、将来に結婚してマイホームを建てるだろうと思って始めたそうです。

 これだけでも十分だと思うのですが、さらに1~2年ほど前から、銀行預金はほとんど金利がつかないからと、積み立て型の投資信託も購入し始めました。さらに非課税で長期的に運用できるつみたてNISAも、将来に役立つお得な積み立て方法だと思って始めたといいます。

「大きなメリットがあるものは、利用しないと損だ」と思ってコツコツ積み立てた総額は、なんと1200万円。ですが、あまりに手を出し過ぎて、収入のほとんどが積み立てに消え、生活費が足りなくなってきたのです。

 具体的にはこんな感じです。

 正社員で働いていますが、毎月の給料からDCや財形貯蓄などが差し引かれて、手取り額は17万円ほど。そこから、生活をさせてもらっている実家に3万円を入れ、積立投信に2万円、つみたてNISAに3万円をあて、残る9万円で食費や交際費、被服費などを賄っていました。

 これでは誰かを養うことなんてできない…。そう考えて結婚もためらったというのです。

 それだけではありません。趣味にもほとんどお金を回すことができませんでした。

 唯一の楽しみは、趣味のダイビング。しかし、毎月の給料はわずかしか残らないため、ボーナスを切り崩して費用を捻出していたのですが、それもすぐに使い切ってしまうので、全く貯金できなかったのです。

 そうはいっても、1200万円も積み立てているではないかと思う読者も少なくないでしょう。

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積み立てていても万が一に対応できなければ意味がない