このように「女がやって当然」、あるいは「俺のことが好きならば、やれるはず」という決め付けで過ごしていると、今の時代は相当厳しい。

 この他にも、妻にラーメンを作ってもらったのに、すぐに食卓に行かなかった己の過失を棚に上げて「ラーメンが伸びてる!」と文句を垂れる男にも注意が必要である。

 なぜならこれらのタイプは妻だけではなく、あらゆる人への“感謝”が欠如しているからだ。何かをやってもらって“当たり前”という思考は相当、残念なものである。

【5】プライオリティ大混乱男 人生における重大事項の優先順位がつけられない

 これは日常生活というよりも、人生における重大事項に優先順位(プライオリティ)が付けられない“彷徨える子羊”タイプを指す。

 一例を挙げるならば、こういうことである。

 50代後半のサラリーマンのAさんは不動産会社の電話営業で、妻に内緒で投資用マンションをローン購入。老後の年金不足補填と節税が目的だったが、すぐに当初の目論見が外れた。より駅に近いエリアに新築物件の入居者募集があり、マンションの退去者がこの物件に流れたのだ。そんな事情から家賃を下げざるを得なくなったものの、思ったほどの利益が出ない。

 これだけでも大問題。ところが後に、妻に気づかれてなじられたために、Aさんは態度を硬化させ、妻の「ローンが残っても、今のうちに売却しなさい」という主張を無視する。

 Aさんは「話が違う!」と怒りに任せ、不動産会社との契約を破棄し自主管理に移行する。しかし上手くいかず、すべてが面倒になったため、Aさんは何の手立ても打たなくなった。結果、退去者が出た後の入居者は埋まらず、年々、赤字が増える一方。今や投資用だったはずの空き家だらけのマンションがAさんの根城になっている。

 つまり、このように「人生の危機」に直面した時にこそ、優先順位をつけて行動しなければならないのに、 行動すべき「今」が判断できないために、そのタイミングを逃すといったようなことだ。判断できずにいると、ますます訳が分からなくなり、あらゆることが面倒になる。結果、すべてを放棄してしまいがちだ。

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自己承認の欲求が強すぎるのも不幸体質になりやすい