●驚きの融点28度!尾崎牛専門・尾崎牛 丸子屋[武蔵小杉]

 日本では現在、200種類以上のブランド牛が存在します。通常は地名を冠にしますが、尾崎牛は違います。宮崎の牛肉商、尾崎宗春さんが自らの名で市場に出した銘柄牛です。肉は通常、焼き台で焼くと縮みますよね? 焼き肉好きの私も長年、それが普通だと思っておりました。その概念を覆したのが、尾崎牛です。なぜ、焼いても縮まないのでしょうか? その秘密は肥育期間にあります。

 肉牛として出荷されるのは、生後28ヵ月が一般的です。ところが尾崎牛は、30ヵ月~34ヵ月という長期肥育期間を経て市場に出されます。生きたまま長く肥育した方が熟成が進み、脂の融点と赤身の味が安定すると考えたのです。その融点は、なんと28度。チョコレートと同じぐらいに溶けやすいのです。

 融点の低い尾崎牛に胃もたれという概念は不要です。ザブトン、リブロース、サーロインなどの霜降り肉も、何枚でも食べられますよ。尾崎牛は内臓も美味いのです。毎日2時間もかけて、胃に負担をかけないエサをブレンドして与えているので、内臓が健康的。地元の宮崎以外では、なかなか巡り合えませんが、尾崎牛 丸子屋(神奈川県川崎市中原区)なら大丈夫。尾崎牛を一頭買いしている希少な焼肉店です。なので、さらっとした霜降りの部位を楽しむことも出来ますし、内臓メニューも豊富。特にレバーやハツを見かけたら即、オーダーですよ。

【尾崎牛 丸子屋】
[住所]神奈川県川崎市中原区新丸子911-1
[電話]044-299-9319
[営業時間]月~木 17:00~23:00、日祝 17:00~23:00、金土、祝前日 17:00~24:00
[定休日]不定休 [席数]28席
[平均予算]8,000~10,000円
http://marukoya.favy.jp/

●焼肉は上手に焼けると本当に美味しい

 焼肉業界は、従来からの自分で肉を焼く店と、高級店で焼いてくれる店の二極化が進んでいますね。それでもまだまだ自分で肉を焼く店が多いと思います。今回、ご紹介した雪降り和牛 尾花沢、尾崎牛、どれほど素晴らしいお肉を提供されても上手に焼けなければ美味しくなりません。

 今月発売になった『焼肉の達人』にも書いたんですが、炭とガスの火の位置を知る、部位ごとの焼き方を理解することは重要だと思います。この理解をするだけで、美味しいお肉に、たどりつけるのではないかと思います。

 私が焼き肉の達人ではありません。過去に出会った達人たちからの教えを本という形にし、皆さんに伝授できればと考えたわけです。焼肉の達人には部位ごとの炭とガスの焼き方をコマ送り写真で紹介しています。美味い肉に出会いたい。そして、ちゃんと焼き上げたい。さぁ左手に『焼肉の達人』、右手にトングをとり、美味しくお肉を焼きましょう。焼肉を巡る旅はまだまだ終わらない。