さらに、ウェブをビジネスに活用していれば、さまざまなデータが集まります。それらを分析し、有効活用していく「データサイエンティスト」の引き合いも高まっています。

 こちらを求めているのもネット系企業に留まりません。当社のような一見、データサイエンティストを必要としないように見える人材紹介会社でも、よい人材がいればぜひ欲しいと考えます。

 過去の候補者や企業の採用決定者、面談記録等のデータを分析していけば、どういう人がどんなプロセスを経て、最終的にどんな企業とマッチングされる可能性が高いかがわかり、打つべき手が見えてきます。こうした取り組みはすでに業界大手では実施していると思います。

 データサイエンティストはまだ人数が少ないので、自社のエンジニアで大学時代に統計学をやっていたような経歴の人を自社のデータ分析部門に入れて、育成するような動きもあります。こうした様子はインターネットの黎明期とよく似ています。ネット系の人材が欲しくても市場にいませんから、近い世界から可能性のある人たちを連れてきて仕事を任せていたのです。

●経営者が「コンサルタント」を採用したがる2つの理由

 もう一つ引き合いが強いのが「コンサルティングファームの出身者」、とくに「戦略コンサル出身者」です。全員とは言いませんが、優秀なコンサルタントは自分で情報を集めて分析し、仮説を立てて実行フェーズまで持っていくことができます。そうした「自走型の人材」を企業は強く求めています。

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コンサルタント人気の背景