とはいえ著者は、本書のノウハウは0か100かの方法ではなく、良いものを少しでも多く、悪いものを少しでも少なく摂るための道しるべだといっている(著者自身、本書のノウハウでは推奨できないポップコーンなども家族と映画を観たりするときには食べるという)。また、人はそれぞれ異なる生化学をもっているから、人がある食物を食べたときの反応は一様ではないとも。

 だから、神経質になりすぎることなく、できるだけ質のいいものを食べながら、自らの気分や体調の、良い変化や悪い変化をよく観察していくことで、自分にとっての最強の食事を見つけてほしい。

 最先端の食の百科事典ともいうべき本書の情報を、ぜひ有意義に活用していただけると幸いである。

(※この原稿は書籍『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』から訳者あとがきを抜粋して掲載しています)

●著者について

デイヴ・アスプリー
1970年生まれ。IT起業家、マーケター、投資家、そして自分の心身を劇的に改造したバイオハッカー。ウォートン・スクールでMBAを取得し、eコマース(電子商取引)を史上初めて行うなどシリコンバレーで成功するも肥満と体調不良に。その体験から、ITスキルを駆使して自らの体をバイオハッキング(=数値化&徹底分析)、世界トップクラスの医学博士、生化学者、栄養士等の膨大な数の研究を総合し、自己実験に30万ドルを投じて心身の能力を向上させる方法を研究。その集大成が本書である。現在はブレットプルーフ・エグゼクティブCEOを務める。自らもIQを20ポイント上げ、50キロ痩せたその画期的なアプローチは、LAタイムズ、フォーブス、CNN、ABCニュース、ヴォーグ等、数多くのメディアで話題に。いまやハリウッドスターからトップアスリートまで数々のセレブリティが実践するなど、全米で大ブームになっている。医師のラナ夫人も著書を持つ健康のスペシャリスト。

栗原百代(くりはら・ももよ)
1962年東京生まれ。翻訳家。早稲田大学第一文学部哲学科卒業。東京学芸大学教育学修士課程修了。訳書に『相性のよしあしはフェロモンが決める』(草思社)、『レイチェル・ゾー・LA・スタイル・A to Z』(メディアパル)、『資本主義が嫌いな人のための経済学』(NTT出版)、『しまった!』(講談社)など。