ただし、そこには弱点もある。最大のネックは、皮肉にも強みである100円均一そのものだ。均一価格である以上、値引きやセールにそぐわない。ライバル商品があっても、100円以下のディスカウントはできないのだ(ただし、実際には店舗によっては商品入れ替え時などに行われることはある)。

 さらに、消費税を乗せると100円で収まらないことも辛い。ライバル業界はやられっぱなしというわけではなく、その弱点を巧みについている。

 例えばペットボトル飲料。100円ショップで買えば、税込み108円となるが、各コンビニのPB(プライベートブランド)は税込み100円で収まるように値付けをしている。ドラッグストアでの売価はさらに安く、100円を切る。

 仕事で使うノートやボールペンもギリギリの攻防がある。筆者は取材時にノートを使うが、ファミリーマートに置いている無印良品のリングノートと決めている。なぜなら、これも税込み100円だからだ。たかが8円の差だが、ワンコインで済むか、端数を払うかの差は気持ちの上で大きい。

 ボールペンも、コンビニで探すと1本95~98円で手に入る。税込みでも102~105円。急に不祝儀袋が必要になった時も、コンビニなら一袋60円程度で売っている。

 ボールペンや不祝儀袋は、100円ショップでは本数・枚数を増やしてその価格に丸めている。どちらを選ぶかは消費者の判断だろうが、レジで払う金額で判断するならコンビニの勝ちだ。

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