●100円ショップで高いもの=100円で売られるもの

 100円ショップ業界のトップブランドと言えば、ダイソー(大創産業)だ。売上高は4200億円(2017年3月現在)と、業界第2位のセリア(Seria)1590億円(2018年3月期予想)、第3位のキャンドゥ(Can★Do)689億円(2017年11月期予想)を大きく引き離す。ダイソーは国内では3150店舗、海外26の国と地域に1800店舗を展開する(2017年3月現在)。扱う商品も生活雑貨だけでなく、飲料に食品、文具やデジタル小物、ファッション雑貨やコスメと幅広い。女性向けスポーツブラやワインまで扱う店舗もある。100円の可能性はどこまでも広がっていく。

 このダイソーの「100円均一」というユニークな販売形態が生まれたわけは、矢野博丈社長のインタビューでも語られている。倒産した企業や資金繰りが厳しい企業から安く買い取った商品をトラックに積み込み、移動販売で各地を回っていた際、売上計算も値札つけも面倒だ、なら全部100円でいい!となったのだとか。

 かつては業者も乱立し、100円ショップの商品は安かろう悪かろうとのイメージがあったが、それも過去のものになった。日本人だけでなく、外国人観光客が100円ショップで山積みの商品を抱え、レジに並ぶ光景は珍しくない。「オール100円」というキーワードは、グローバルに通用する魅力にあふれているのだろう。

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