髪のキューティクルがはがれること自体は抜け毛にはつながりませんが、毛が折れたり、切れたりすれば、まとまりやツヤがなくなるので、見た目が劣化します。毛根で生まれたときはキューティクルが6~7層ありますが、どんどんはがれ、30センチほどの毛の先端はキューティクルがゼロのことも。先端がまとまらない、パサつくのはそのせいです。そうしたダメージを想定してケアしましょう。

 また、栄養バランスのとれた食生活も大切です。よくわかめがいいと言われますが、これを食べればいいという物はありません。髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンで、皮膚の表面の角質や爪と一緒。栄養状態が悪ければ、髪は作れないのです。

●薄毛は発症すると絶対止まらない 育毛剤の輸入には注意を

――薄毛の進行を止めるには、何が最も効果的でしょうか?

 男性の薄毛は発症すると必ず進行します。放置して薄毛が元に戻ることは自然現象としてありません。進行がゆっくりで変化を感じない方もいますが、努力でしか回避できないのです。気合では止まりませんので、まず男性の場合は育毛剤が適切です。軽い時期には軽い育毛剤で、進行して日常生活に影響が出る場合には強いものを使いましょう。外用剤ではミノキシジルという成分を含有したもの、フィナステリドという内服治療薬も出てきており、かなりの効果を得ることもできます。それでも効かない場合は、いろんなものを組み合わせるのも1つの方法です。

 例えば、発毛LED療法やローレベルレーザー、育毛剤を内服と外服を組み合わせて使用したり、それでも効果のないときは自毛植毛という方法もあります。

 育毛剤の場合、種類がたくさんありますが、日本皮膚科学会では使い方のガイドラインを作り、どんな状態にはこれが有効という方法を示しています。気になる方は、一度ご覧になってみてください。

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