そのため、がんに関わる受けたい治療があったものの、自由診療で高額だったために受けることができませんでした。転移や再発もないと言われたけれど、その治療を受けられなかったために、大丈夫だろうかと心細く、不安な思いを持ち続けているというのです。

 若い男性には、今は健康で病気にならない自信があるからと、あえて生命保険に入らないという人が意外と多くいます。健康維持のためにサプリントを多用したり、ジムで体を鍛えたりといった努力も欠かさず、職場の健康診断で「異常なし」の診断をもらって満足しています。
 であるならば、万が一を考えて、保険に入らない分の金額をきちんと貯蓄や投資に回していれば問題はないのですが、「保険は要らない」と考える人は若く、貯蓄が十分ではないケースが多いものです。

 こうした人たちは極端な考え方をするケースが多く、独身ならまだしも、既婚者で奥さんや子どももいるのに、自分が入院したり不幸にも亡くなってしまったりしたときの家族のことなどは考えず、保険には一切加入していないこともあります。

 そうした人の奥さんに、保険の必要性を説明すると理解を示し、興味を持ってくれることも多いのですが、最終的には「夫が保険をすごく嫌がるので…」と言って、保険加入をためらうようなケースも多々目にします。

●“食わず嫌い”は意味がない 家族のことを考えよう

 しかし、これはとても危険なことです。

 Kさんの話からも分かるように、保険をかたくなに否定していると、痛い目を見てしまうことにもなりかねません。保険というものを理解しようともせず、偏った先入観やイメージによって全て拒否する、そんな“食わず嫌い”的な捉え方は意味がないとすら思うのです。 

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