●高校生向けに無料で教育

 秘策の一つは、14年度に導入した、「アサーティブ入試」だ。なんと高校1年生から無料で利用できる教育と相談の仕組みを提供しているのだ。具体的には、高校1~3年生向けに基礎学力(国語・英語・英検)を高める独自のプログラムを用意。スマートフォンなどからもアクセスできる。さらに、同大学の受験とは関係のないことも大学職員に相談できる。

 これら全てを無料で利用できる上に、最終的に同大学を受けなくともよいというのだ。アサーティブ入試の志願者数はこの3年で約4倍の358人にまで膨らんだ。

 一方で、関西には「われこそは次の産近甲龍だ!」と言う同規模の強烈なライバルも多い。国際系学部新設で人気の関西外国語大学、堅実な校風と都心型キャンパスで攻める大阪経済大学、大阪工業大学、共学化で人気の京都橘大学などだ。

 追手門学院大学の川原俊明理事長・学長は「やり抜く力」をポリシーに、他大学ができないようなことに長期にわたって取り組み、地道に検証を行い、差別化を図っていきたいと意気込む。

 下克上の様子から判断すれば、これからの「勝ち組の大学」になれるかどうかは、独自性を強く出した上で、その情報をいかにうまく発信できるかに懸かっている。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 西田浩史)