●咳やくしゃみの音がでかい 小用の時には屁をこく

 若い頃はなんともなかったことが、老化が進むにつれてしんどく感じられるようになる。おじさんになってくると生きて体を動かすことが段々と苦行の様相を呈してくるのだが、「だからこそ強く、誇り高く生きようよ!」と世のおじさんに檄を飛ばすのは43歳のCさん。彼によれば、体の欲求に正直すぎるおじさんが多いそうである。

「昔は新幹線や飛行機で靴を脱いでいるおじさんを見ると『ああ、おじさんっぽい…』と感じ、なんであんなことするのかがわからなかった。しかし自分もおじさんになってくると、足がむくんでくるのか『靴はいつだってどこだって脱ぎたい』と思うように。なんならクールビズに便乗してずっと裸足で勤務したいと思うくらい(笑)。でもおじさんになった今だからこそ、フォーマルとプライベートはしっかり分けねばならないと思うわけです」

 具体的には、以下のような振る舞いがおじさんっぽさを象徴するようである。

「咳やくしゃみなどの音は基本でかいですよね。たまに痰を『カーッ』とやって静かになり、『あれ?今の痰はどこにいきましたか?』みたいな。ものを食べるときにいやに大きい音を立てたりというのもおじさんっぽい。

 トイレで小用を足してるときに屁をこくのも、おじさんらしいおじさんの特徴です。鼻毛や耳毛が未処理のままボーボーに生えているのを見ると『やっぱりおじさんだからなあ』という諦めにも似た気分にさせられる」

 Cさんは「同じことでもおじさんがやるのと若い人がやるのでは意味合いが違う」と指摘する。

「おじさんになると『靴を脱ぎたい』といったような、いろいろな生理的欲求が強くなってくる。しかしそこをグッとこらえてスマートに生きることが、おじさんへのリスペクトを取り戻す唯一の道だと思っています」

 スマートなおじさんたるには相応の努力が必要であり、世の「おじさんらしいおじさん」たちは体の欲求に屈してデリカシーをなくした男性の成れの果て、といえるのかもしれない。

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とどめはEXILE風「痛々しい若づくりおじさん」