「若くて綺麗な子には高時給の求人情報が優先的に提供されますが、そうじゃない子は大衆店の情報が中心。私は後者です(笑)。スマホでこまめにチェックし、条件の合う店を見つけて、『出勤ボタン』を早い者勝ちでクリックする。ちなみに店は、派遣1名の1出勤につき、数千円の派遣料を派遣会社に払うみたいです」

 派遣のキャバ嬢には、在籍のキャバ嬢にはないメリットが数多くある。

「まず、好きな日に好きな店で働けて、給料も日払いなのがうれしい。残業もなく、同伴やアフターに付き合う必要もないから、学生や昼職を持っている人の小遣い稼ぎに最適です。私の場合は、これが本業なんですけどね」

 A子さんは在籍の厳しさに嫌気が差し、3年前から派遣に転向。以後ずっと、派遣キャバだけで生活しているのだとか。
 
「私がかつて在籍していたキャバクラは、『半月で同伴1組・指名3本』というノルマがあり、達成できないと数万円のペナルティを課せられました。だけど、派遣にはノルマもなければペナルティもない。その分、歩合はほぼなくなりましたが、マイペースで働けるからいいです」

●1度きりのお客だからLINEメッセは無視

 在籍時は、同僚や客との人間関係に悩まされることもあったそうだが、派遣はその点においても、ほぼノーストレスだ。

「どの店もたいてい一度きりの出勤なので、人間関係を築く間も、ストーカーがつく間もない。お客さんとの連絡先交換もしなくていい。しつこくねだられたらLINEだけは交換しますが、どうせ二度と会わないので、通知をオフにして返事はしません」

 さらには、こんな金銭的メリットもある。

「たとえば、私が友達を派遣会社に紹介すると2人とも謝礼をもらえたり、その子が本入店すれば両者ともさらなる大金をもらえたり。ただし、友達を誘う分には構いませんが、派遣先でそういう話をするのはご法度ですね。在籍の子を引き抜かれる恐れがあるため、店の人もそのへんは警戒していますし、引き抜きがバレたら登録解除。誰かの引き抜き行為や、派遣会社を通さない直受けを密告しても報奨金をもらえるので、それで稼いでいる派遣の子もいると聞きます」

次のページ