久賀谷 亮(くがや・あきら)医師(日・米医師免許)/医学博士(PhD/MD)。イェール大学医学部精神神経科卒業。日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。現在、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開中。臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。趣味はトライアスロン。著書に『世界のエリートがやっている最高の休息法』『脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]』(ダイヤモンド社)がある
久賀谷 亮(くがや・あきら)
医師(日・米医師免許)/医学博士(PhD/MD)。イェール大学医学部精神神経科卒業。日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。現在、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開中。臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。趣味はトライアスロン。著書に『世界のエリートがやっている最高の休息法』『脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]』(ダイヤモンド社)がある
【図1】
【図1】

 睡眠、美容、子育て、集中力、ダイエット、禁煙、老化……など、幅広い有効性が認められているマインドフルネス。これを日本で最も広めたベストセラー『最高の休息法』に「医師監修の特別音源CD」を付属した実践編が登場した。その名も『脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]』――。その一部をご紹介しよう。

●日常の行動に「最高の休息法」を組み込む

「マルチタスクに由来する自動操縦状態」を解除し、リラックスと集中とを同時に高めるうえで有効なのがムーブメント瞑想です。こちらは呼吸ではなく、自分の身体の動き(ムーブメント)を意識の錨にする方法です。

 グーグルの社員研修プログラムSIY(Search Inside Yourself)でも実践されている典型的なムーブメント瞑想に歩行瞑想があります。

 最初はできる限りゆっくりと、亀のようなスピードで歩きながら、脚の筋肉や関節の複雑な動き、手の動き、足が地面を蹴る感じ、それらが見事に連動している様子などを、1つずつ細かく意識します。

 しばらくすると、ここでも脳はいつのまにか自動操縦モードに切り替わり、歩行以外のことに意識がさまよいはじめるはずです。雑念に流されていることに気づいたら、呼吸法のときと同様、ゆっくりと身体の動きに注意を引き戻しましょう。

 すぐに注意が逸れるようなら、ラベリングを組み合わせましょう。脚の動きに合わせて「右」「左」とか「上げる」「下げる」と心のなかでつぶやくのがオススメです。簡単な体操と組み合わせてもいいでしょう。

 さらに、服を着るとき、歯を磨くとき、車を運転するときのような、日常のアクションにも応用が可能です。朝のラジオ体操のときに筋肉の動きに注意を向けてみたり、バットの素振りと組み合わせてみたり、毎日の通勤時間にやってみたりと、いろいろ工夫してみてください。

 ちなみに私は毎朝、自宅からクリニックに出勤する際、「玄関のドアを開けたら歩行瞑想を開始する!」と決めています。このように日常のルーティンのなかに「きっかけ」をつくっておくと、習慣づけが容易になります。

●食事をしながら脳を休める

 ムーブメント瞑想に似た方法として、食事瞑想もご紹介しておきましょう。

 ……と、その前に、こんなたとえ話をご存じでしょうか?

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