さらに、冬は気温が低くなるだけでなく、空気が乾燥もしますから、夏に比べて睡眠中に喉が乾燥しやすく、ウイルスが吸着して風邪をひきやすくなります。また室内は乾燥していても、布団の中は湿度が高くなるため、意外に汗もかいています。

 そこで私は、オイルヒーターをおすすめします。湯たんぽや電気マットを使っている方も多いかと思いますが、寝ているときは熱さを感じにくいために、布団の中で局所を温めすぎると低温ヤケドを起こしやすくなります。ですから、湿度をあまり変化させず部屋の空気全体を暖めるオイルヒーターがベターなのです。

 寝具やパジャマは、吸水性が高くて湿度がこもらないものがよいでしょう。となると綿素材のものがおすすめですが、綿は肌触りが冷たく感じる人も多いため、自分が心地良いと感じるものを選んでください。

●「今以上にストレスをかけないこと」が良質な睡眠につながる

 このように「コントロールできる内部環境」を1つずつ潰していって、それでも睡眠が改善しない場合に初めて、「(2)コントロールできる外部環境」や「(3)コントロールできない内部環境」の改善に移行していきます。

 多くの人にありがちなのが、いきなり「(3)コントロールできない内部環境」から着手しようとするケースです。仕事や上司のストレス、女性のホルモン周期といった「コントロールできない内部環境」に関しては、睡眠環境をどうこうすることよりも、「今以上にストレスをかけないこと」がポイントです。

 ストレスが高いな、と思った時には新しいワークスタイルを取り入れない、重大な決断をしないことが大切です。他人が関わる要因は、改善することそのものに大きな負担がかかります。ストレスが上乗せされるような状況をできるだけ避けて、「嵐が過ぎ去るのを待つ」「できるだけ考えないようにする」という姿勢も選択肢に入れておいてください。それだけでも、かなり気持ちがラクになり、眠りやすくなるはずです。