一方でクリントン氏のコピーは、所々で使い分けされている。メッセージがブレているのだ。

 その中でもクリントン氏は、「Stronger Together(一緒のほうが強い)」がメインキャッチコピーだ。語感はスマートだが、一緒にいると何がいいのかという「得」の部分が弱い。トランプの「Great」というフレーズの強さには確実に劣っている。端的なコピーでメリットを表現できないと、全米を引っ張っていく力がないと判断されてしまうのだ。キャッチコピーの4大法則のうち、押さえられているものといえば、「一緒にいればいい」ということを訴求する「法則4:簡単な方法」くらいだろうか?

 様々な「数字」で判断されるトランプ氏の政治手腕は、これから試されるところである。しかし、政治家としての「数字」を持たないトランプ氏をここまで引き上げたのは、疑いなく「言葉」のチカラである。

「数字」につながる「言葉」としてのコピーライティング。売れるコピーライティングには、実は体系立った法則がある。

 これまで年商が約6倍近くも伸びた企業事例などを紹介してきたが、その活用範囲は、コピーライターだけに限定されず、大統領選にも威力を発揮するのだ。

●売れるコピーの法則を国内成功100事例で初公開!著者からのメッセージ

 このたび、『最強のコピーライティングバイブル』を出版しました。

 これまで世に出回るコピーライティング本は、言葉の語感を少々いじるものがほとんどでした。

 しかし、それだけで売れるコピーは書けません。なぜなら、売れるコピーを書くには、「戦略」「キャッチコピー」「セールスコピー」ごとの法則があるからです。

 その「幹」を学ばずして、言葉の語感の「枝」ばかり触れても、売れるという大目的には近づかないのです。

 そこで、売れたという検証を公開した世界的3大名著“黄金のクラシックシリーズ”3部作に範を求め、日本の事例を掲げてそのレシピ、成果を大公開しました。

 世界的3大名著とは“黄金のクラシックシリーズ”3部作(以下、3部作)」です。
 この3部作は、仮説一切なし!?
 マーケティング・コピーライティングにおける「成果実証済・検証結果付き名著」。

 その3部作とは……

●ジョン・ケープルズ著、神田昌典監訳、齋藤慎子+依田卓巳訳『ザ・コピーライティング』
●ロバート・コリアー著、神田昌典監訳、齋藤慎子訳『伝説のコピーライティング実践バイブル』
●ボブ・ストーン+ロン・ジェイコブス著、神田昌典監訳、齋藤慎子訳『ザ・マーケティング【基本篇】』『ザ・マーケティング【実践篇】』

 私は、ダイレクトマーケティングの世界で20年以上、一流大企業を中心に数百社超、年間3000人、のべ2万人超のビジネスパーソンに体系的研修を行ってきました。

 そのため、日頃から企業や受講者の課題点をすばやく摘出し、短時間で確実な成果へと引き上げる“超訳力”を駆使しています。その経験を活かし、大胆にも、3部作計2000ページ超のエッセンスのみを10分の1の200ページ超に圧縮し、“超訳”したのが本書です。

“超訳”結果として、2000ページはさすがに読めない読者に、9割を大胆カットし、成果を挙げる稀少部分のみ抜き出しました。だから、本書1冊だけ読めばいいという10分の1の薄さのハンドブックになっています。

 ただ、ページ数を薄くはしましたが、中身の充実度は、本家にひけをとりません。とりわけ、文中で紹介する事例は、国内事例に絞ってかなり分厚くし、充実の内容に仕上げています。その数、なんと24業種・100事例!

 たとえば……

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