●差がついていたのは、能力ではなく「動き出し」

 残念ながら失敗してしまった学生の多くには共通点がある。

 それは「動き出しの遅さ」だ。

 売り手市場になると「何とかなる」「急ぐ必要はない」と甘く見て、準備を怠る学生が増える。その結果、ゆっくりと就職活動をはじめてしまう。ここに落とし穴がある。

 売り手市場と言っても「人気企業の難易度は変わらない」のが現実。

 100倍や200倍は当たり前だ。

 ライバルの学生たちは、意中の企業から内定を勝ち得るために早期から準備を開始している。

 彼らは、近年、学生を評価する場となっているインターンシップやOBOG訪問などに積極的に参加し、本選考が開始するずっと前から、企業との接点を持っている。

 そして、かなり早い時点で企業に自分を売り込んでいる。そうした「非公式の場」を通じて、人事や社員から高い評価を得て内定に近づいているのだ。

 こうした背景には、売り手市場の中で、企業も優秀な学生の獲得に躍起になっていることが挙げられる。本選考よりも早い段階で、学生と接点を持ち、優秀な学生を囲い込みたいという思いがある。早い段階で動き出している学生は、彼らとの接点を持つことができるので、選考に有利に働いているのだ。

 情報感度の高い学生は、この「就活の早期化」ともとれる状況を敏感に察知し動いている。このため、動き出しが遅い学生はアピールに出遅れてしまう。通常の選考がはじまる大学4年生の春に動き出しているようでは、大きく差がつけられてしまっているのである。

 この記事が公開された9月頭には、インターンシップやOBOG訪問といった形で、2018年卒の就活は、事実上スタートしているのだ。

●人気企業に絶対内定するための3つのポイント

 具体的にどのように動いていた学生が結果を出しているのか。

 今回は、我究館で第一志望に内定したRくんが「どのように動いて結果を出したのか」をモデルケースにして、具体的に紹介しよう。
(大まかな就職活動のスケジューは図1のとおり)

次の3つがポイントになる。

1.早期の自己分析(我究)によって、志望業界を早い段階で決定する
2.その志望業界に、インターン参加やOBOG訪問を行い、積極的にアピールする
3.2をしっかりと行うことで、本選考では面接を有利に進めることができる
 早期の自己分析と動き出しが鍵になる。

●勝者・Rくんの就職活動具体的なスケジュール

 では、Rくんの就職活動を見てみよう。

 前出の3つのポイントを押さえて動いているのがわかるだろう。

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