●実質割引率を計算し、同じ土俵に乗せる
具体的には、次のように考えることにしましょう。
A店の割引率はそのままに、B店のポイント還元を実質的な割引率に換算します。たとえば、購入するモノの定価が100円だとします。
<A店>
1-(払った価値÷得た価値)=1-(90÷100)=1-0.90=0.10
つまり、10%OFF
<B店>
1-(払った価値÷得た価値)=1-(100÷110)≒1-0.91=0.09
つまり、実質は9%OFFと同じサービスであると評価することができる
B店の場合は払った価値はもちろん100円ですが、得た価値は100円のモノと10円分のポイントです。したがって、100+10=110円の価値を得たと考えるのです。
この論法で比較するならば、両者を割引率という同じ土俵の上で比較できますから、A店のほうが消費者にとってメリットの大きいオファーをしていると評価することができます。
●トヨタとソフトバンクはどう比較する?
ここでご紹介した論法はあくまでひとつの考え方に過ぎません。ただ、ひとつ押さえておいていただきたいのは、この一節です。
異なる土俵に乗っているものを比較し評価したければ、何らかの手法で同じ土俵に乗せなければならない。
NTTドコモとソフトバンクは単純比較できるかもしれませんが、トヨタとソフトバンクは単純比較できません。まったく異なるビジネスをしているからです。
そんな二社を比較したければ、たとえば営業利益率や従業員効率などの数字を持ち出して比較することでしょう。