●「背表紙の可視化」と「時系列並べ」が基本

まずは、すべての本を書棚に並べてください。

「積ん読」になっている本は横倒しになっています。そのせいで、どこにどんなタイトルの本があるのかがわかりづらくなっている。まずはタイトルがしっかり読めるように本を立てて並べることからはじめるわけです。

ここでポイントなのが、ちゃんと背表紙が「見える」ようにすること。書棚がいっぱいであれば床に並べてもいいので、本屋さんに並んでいる商品のように整然と並べます。

もう1つおすすめなのが、本の奥付(書誌情報などを記載したいちばん最後のページ)を見て発行日を確認し、古いものから新しいものの順に並べていくこと。

すると、その時点で「これは必要ないな」という本が何冊かが出てきます。「読めずじまいのまま、2年くらい経っているなあ」とか、「もう10年も前の情報だから、内容的にはだいぶ古くなっているぞ」とか。とくにビジネス書などは、時代状況を踏まえて刊行されるものが多いので、古くなったものは積極的に処分していくようにしましょう。

それでもなかなか踏ん切りがつかないときは、“いつでも再会できる”ことを意識してください。

もしもその本がどうしてもまた必要になったとしても、中古本市場や図書館、電子書籍などで、簡単に手に入ります。いまはインターネットで探せますから、「二度と手に入らない本」などというものは、よっぽどの稀少本でない限りまずありません。

印南敦史(いんなみ・あつし)
書評家、フリーランスライター、編集者。株式会社アンビエンス代表取締役
1962年東京生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。
「1ページ5分」の超・遅読家だったにもかかわらず、ビジネスパーソンに人気のウェブ媒体「ライフハッカー[日本版]」で書評欄を担当することになって以来、大量の本をすばやく読む方法を発見。
その後、ほかのウェブ媒体「NewsWeek日本版」「Suzie」「WANI BOOKOUT」などでも書評欄を担当することになり、年間700冊以上という驚異的な読書量を誇る。
著書に『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)のほか、音楽関連の著書が多数。

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