ドーシーは、ツイッターに戻ってから無策でいたわけではなく、社内を刷新するためにいくつもの手を打ってきた。

 そのひとつは、社員数を減らすこと。全社員の8%にあたる300人をレイオフして、もっと少人数で開発の速度を上げるような体制へもっていくことを明らかにした。彼から見ると、ツイッターはすでに大企業病的でスピード感を失っていたようだ。

●140文字のこだわりを捨てることはユーザーに支持されるのか

 そして、ツイッターのトレードマークである140文字という文字制限にも改訂を加えようとしている。目指している新しい文字制限は10000字。そうなってもツイートの見えが変わらないよう、追加分は表示をコラプスさせるなどの工夫を検討しているようだ。ただし、この改訂は速く書けて速く読めるという手頃さが好きだったツイッター・ユーザーにどう受け入れられるかは不明で、下手をすると固定ユーザーを失うという失策にもなりかねない。

 新しいユーザーの関心を誘うためのプロダクトも発表した。「モーメンツ」という、ひとつのテーマのまわりにキューレーションされたツイートのコレクションである。スポーツチームとか宇宙旅行とか、そういった人気のテーマにそって目につかなかったツイートも発見できるしくみだ。

 そうした中で起こった今回の辞職。空になったこれらのポストは、当分現在のCTOやCOOが担当することになるという。また、すでに空いていたCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)のポストには、アメリカン・エキスプレスでグローバル広告担当の副社長を務めていたレズリー・バーランド氏が就任することが明らかになった。

 一説では、約1年前に開催されたツイッターのアナリスト向けイベントに参加していたエグゼクティブの6割以上が今は不在ポストとなっているという。何かとエグゼクティブレベルでのトラブルが多い同社だが、今回は回帰をかけた再編成が求められる。ツイッターの復活なるか、正念場がやってきた。