このように1回目と2回目の学習間隔をグループによって変え、最長間隔は6ヵ月となった。また、覚えたことの最終試験を受けるタイミングもグループによって変えた。こうして、パターンは全部で26種類となった。

 研究チームは26種類すべての結果を比較し、試験の日程に応じた最適な間隔を算出した。「簡単に言うと、勉強時間を分散する最適な間隔は、いつまでそれを覚えていたいかで決まる」とワイズハートとパシュラーの研究チームはまとめた。試験の日程と最適な間隔は、表のようにまとめることができる。

 左の表をよく見てもらいたい。これらの数字は厳密ではなく、どちらの項目も切りのいい数字にしている。とはいえ、厳密な数値にかなり近い。

 試験が1週間後にあるときは、学習時間を2回に分け、今日と翌日、または今日と明後日に勉強する。学習時間をさらに1回増やしたいなら、試験の前日にするとよい。

 試験が1ヵ月後なら、今日勉強して1週間後にもう一度勉強するのがいい(学習時間が2回の場合)。もう1回増やすなら、そこから3週間ほどあけて、試験の前日に時間を設ける。

 試験の日程が遠い(つまり、準備する時間がたくさんある)ほど、学習時間の1回目と2回目の間隔が広がる。試験までの時間と2回目の学習までの最適な間隔を割合で表すと、試験までの時間が長いほどその割合は減少することが、この実験で明らかになったのだ。

(※この原稿は書籍『脳が認める勉強法』の第4章から一部を抜粋して構成したものです)