人事評価をする時に顕著な特徴に引きずられて、他の特徴についての評価が歪められる現象、すなわち認知バイアス(歪み)と呼ばれるものがあります。例えば、偏差値が高い大学卒であったり、スポーツに優れていたり、字が上手だったりする場合、その人が人格的にも優れていると思い込んでしまうのです。ハロー効果は、認知バイアスの一種にあたります。
ちなみにハロー効果には、ポジティブハロー効果とネガティブハロー効果があり、
<ポジティブハロー効果>
英語が得意な社員を「仕事ができる」と評価
<ネガティブハロー効果>
遅刻が多い社員は「仕事ができない」と評価
というように目立ちやすい「特徴」に引きずられて、他の評価まで歪められてしまうことがあります。みなさんも人物を評価するに際して、このような経験があるかもしれません。こうしたハロー効果の影響により、“ポジティブハロー効果”を得ることになるのが、レジェンド社員です。
「レジェンドである○○さんが言っていることだから間違いないでしょう」
と断言されてしまうことも少なくなく、こうした流れによって現在の本人の実力と違う評価を前提に周囲が接してしまうことがあります。例えば、記憶と記録に残る偉業があるので、この1年間は大した活躍をしていなくても人事評価が高いまま。あるいは、周囲が「間違っている」と感じる発言があっても、諫められない状態です。こうしたことが起きている職場が至る所で見受けられます。
ハロー効果を起こさないためには、
・先入観や思い込みを排除する
・日常の客観的事実を元に評価する
ことを周囲も心がけることが重要です。当然ながらレジェンド自身が自分を過大評価しないことが、最も大切なことかもしれません。