
東浩紀「9月入学案が盛り上がる背景には、ポストコロナへの焦りがある」
eyes 東浩紀 AERA批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。* * * 小中高の始業・入学時期を変更する「9月入学」が話題になっている。 9月入学自体はかねてより議論されていた。それがここに来て注目されたのは、新型コロナの影響で休校が長引...
東浩紀
東浩紀(あずま・ひろき)/1971年、東京都生まれ。批評家・作家。株式会社ゲンロン取締役。東京大学大学院博士課程修了。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。93年に批評家としてデビュー、東京工業大学特任教授、早稲田大学教授など歴任のうえ現職。著書に『動物化するポストモダン』『一般意志2・0』『観光客の哲学』など多数
批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。* * * 小中高の始業・入学時期を変更する「9月入学」が話題になっている。 9月入学自体はかねてより議論されていた。それがここに来て注目されたのは、新型コロナの影響で休校が長引...
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批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。* * * ポスト・コロナ社会をめぐる議論が始まりつつある。鍵となるのはオンライン化をめぐる新しい格差だろう。 この数カ月で人々の身体感覚は大きく変わってしまった。かつて集まるこ...
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