第23回 宇宙のヒミツを知り、月を愛でる心も育む『月の満ちかけ絵本』 |AERA dot. (アエラドット)

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第23回 宇宙のヒミツを知り、月を愛でる心も育む『月の満ちかけ絵本』

文・加賀見徹

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著者 大枝史郎(おおえだ・しろう)早稲田大学第一文学部美術史科卒業。大日本印刷にて製版見本帳『グラフィック・マテリアル』や用紙、インキ見本帳を制作。企業カレンダー制作において入賞多数。1974年に株式会社シーガル設立。『ルナ・カレンダー』『歳時記カレンダー』『旧暦カレンダー』を制作。著書に『家紋の文化史』(講談社)などがある。暦の会会員

著者 大枝史郎(おおえだ・しろう)
早稲田大学第一文学部美術史科卒業。大日本印刷にて製版見本帳『グラフィック・マテリアル』や用紙、インキ見本帳を制作。企業カレンダー制作において入賞多数。1974年に株式会社シーガル設立。『ルナ・カレンダー』『歳時記カレンダー』『旧暦カレンダー』を制作。著書に『家紋の文化史』(講談社)などがある。暦の会会員

『月の満ちかけ絵本』(あすなろ書房)/大枝史郎著/イラスト:佐藤みき※Amazonで購入する佐藤みき(さとう・みき)イラストレーター、画家。『週刊文春』(文藝春秋)「今夜も思い出し笑い」(林真理子・著)挿絵、新聞小説「かんかん橋を渡ったら」(あさのあつこ・著)挿絵、新聞・雑誌・装画などで活躍中。著書に『50cmで作れる園児のグッズとカンタン服』(日本ヴォーグ社)などがある

『月の満ちかけ絵本』(あすなろ書房)/大枝史郎著/イラスト:佐藤みき
※Amazonで購入する

佐藤みき(さとう・みき)
イラストレーター、画家。『週刊文春』(文藝春秋)「今夜も思い出し笑い」(林真理子・著)挿絵、新聞小説「かんかん橋を渡ったら」(あさのあつこ・著)挿絵、新聞・雑誌・装画などで活躍中。著書に『50cmで作れる園児のグッズとカンタン服』(日本ヴォーグ社)などがある

新月(『月の満ちかけ絵本』より)

新月(『月の満ちかけ絵本』より)

三日月(『月の満ちかけ絵本』より)

三日月(『月の満ちかけ絵本』より)

上弦の月(『月の満ちかけ絵本』より)

上弦の月(『月の満ちかけ絵本』より)

満月(『月の満ちかけ絵本』より)

満月(『月の満ちかけ絵本』より)

下弦の月
二十三夜月(『月の満ちかけ絵本』より)

下弦の月
二十三夜月(『月の満ちかけ絵本』より)

明けの三日月(『月の満ちかけ絵本』より)

明けの三日月(『月の満ちかけ絵本』より)

 親子で学べるユニークな「月観察」絵本『月の満ちかけ絵本』(あすなろ書房)が2012年の発行以来、多くの小学生や保護者などから人気を集めている。

 この本は、月の満ちかけのしくみが一目でわかり「満ちかけひとめぐりは29日半の旅」として、新月(朔月<さくげつ>)から明けの三日月までを観察していく。また、月と宇宙の豆知識として「月までの距離、月の大きさは?」「日食と月食のふしぎ」「潮の満ち引きとは…」「月のもようは、なにに見える?」など子どもたちの素朴な疑問も、わかりやすく図解されている。

 「今の子どもは、月を見るということ自体が少なくなっています。月に興味・関心をもってもらい、親子や孫との共通の話題のきっかけになればと思います」という著者の大枝史郎さんに話を聞いた。


■29日12時間44分かかる

 月は自ら光っているのではなく、太陽に照らされ輝いている。地球の周りを月は回るので、太陽に照らされるところが変わり、光の当たらない部分は陰となり見えなくなる。そのため、月の満ちかけが生じるのだ。

 新月から三日月、半月、満月(望月)、半月、三日月まで。そして再び新月へと変わっていき、これには29日12時間44分かかる。そのひとめぐりは「朔望月(さくぼうげつ)」と呼ばれているという。

 初めの月は見ることができない新月。3日目の月「三日月」は日没の頃に西の空に見える。その後、7日目は右半分の半月「上弦(じょうげん)の月」になり、日没の頃に南の空に。15日目はまん丸の月「満月」で、日没の頃に東の空から昇る。それから7日ほどすると、今度は左半分の半月「下弦(かげん)の月」が、日の出の頃に南の空に浮かんでいる。26日目の月は、3日目とは逆を向いた月「三日月」で夜中の1時から3時の間に昇り、夜明けの頃に東よりの空に輝く。28、29日目の月は明け方に見えるので「明けの三日月」と呼ばれる。最後に見えるこの月からまた新月へ。これが繰り返されているのだ。


■月を愛でる心も育む

 月はほぼ7日ごとに、誰が見ても区別することができる四つの形に変化しているところから、7日を1週間とする元になったといわれている。昔の人たちは、月の満ちかけによって日を数えていた。やがて、太陽による昼と夜の長さの違いや季節の変化を体験し、太陽で日を数えるようになったのだ。例えば旧約聖書『創世記』にも、1日目:暗闇がある中、神は光をつくり、昼と夜ができた。2日目:神は空(天)をつくった。3日目:神は大地をつくり、海が生まれ、地に植物を生えさせた。4日目:神は太陽と月と星をつくった。5日目:神は魚と鳥をつくった。6日目:神は獣と家畜をつくり、神に似せた人をつくった。7日目:神は休んだ。と、天地の創造が描かれている。

 現代は日々時間に追われた生活を送っている人が多いであろう。巻末の「月の満ちかけ表」(2014~2021年)を参考にしながら親子で月を見る時間をもつことで、心の余裕も生まれてくるのではないだろうか。宇宙のヒミツを知り、月を愛(め)でる心も育む。親子で楽しく学べる知識絵本である。現在、13刷で10万部を超えた。(朝日新聞デジタル &M編集部 加賀見 徹)


『sesame』2016年9月号(2016年8月6日発売)より
http://publications.asahi.com/ecs/64.shtml



(更新 2016/8/ 8 )


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プロフィール

加賀見徹(かがみ・とおる)

 東京都生まれ。朝日新聞社 デジタル本部『朝日新聞デジタル &』編集部所属。監修・著書に『スタイリストになるための練習問題100』(雷鳥社)がある。2012年より『sesame』(朝日新聞出版)で「親子で読みたい本」を連載中。人・物愛好家。幼児教育研究中

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