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第41回 日本全国、そして世界各国から、イラッシャイ

文・鈴木正晴

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雑貨を取り扱う日本百貨店の本店。アメ横のある御徒町という立地のおかげか、本当に日に日に海外のお客さまが増えています

雑貨を取り扱う日本百貨店の本店。アメ横のある御徒町という立地のおかげか、本当に日に日に海外のお客さまが増えています

秋葉原駅近くの日本百貨店「しょくひんかん」。館内の精進料理コーナーは特に宣伝してはいませんが、ランチタイムは海外のお客さまがたくさん!

秋葉原駅近くの日本百貨店「しょくひんかん」。館内の精進料理コーナーは特に宣伝してはいませんが、ランチタイムは海外のお客さまがたくさん!

たとえばチタン箸は、海外のお客さまにも人気。光沢のあり・なしが選べる2膳セットは、朝日新聞SHOPでも購入できます!

たとえばチタン箸は、海外のお客さまにも人気。光沢のあり・なしが選べる2膳セットは、朝日新聞SHOPでも購入できます!

 日本百貨店の本店があるのは、有名な「上野アメ横」が近い御徒町。また、日本全国の食品を扱う、日本百貨店しょくひんかんがあるのは、言わずと知れた海外観光客で賑わう秋葉原。

 そんな場所にあるものですから、いつも皆さんに聞かれます。「インバウンド需要はどうですか?」「インバウンド対策、何をやってますか?」。言われるたびにお答えします。「あんまりです!」「笑顔です!」(にこっ)。

 つまり、ほとんど何もしてないのです。恥ずかしながら。

 土地柄、海外のお客さまの多い場所ですから、英語や中国語、韓国語といくつかの言語で商品の説明文を備えたり、会話のできるスタッフをそろえたり、免税対応をしたりとやることはいくらでもあるのですが、手つかずでおります。

 もちろん来ていただいた際には喜んでいただけるように一生懸命お話して、出来ることはしっかりやるのですが、なにせそもそも、海外の方向けの宣伝もしてないものですから、海外のお客さま自体の数も、周りの店舗さんに比べますと、絶対的に少ない。

 元々日本百貨店を作った理由が、日本のモノヅクリにきちんとお金が回るようにして、地元に根差した文化がしっかり継承できるようにしよう、その上で、そのモノヅクリを海外にどんどん売り込んでいこう! ということですので、海外にお店を出すのが1つの目標(ニューヨークに出したい!)です!

 だのにいわゆるインバウンド対策はほとんどやってない。正直に言いますと、手がまわらない!!! 他のことをうっちゃってでもそちらに力を入れる会社さんが多い中で、うちはどうしてもそこに注力できない。

 次いつ来てくれるかわからないお客さまのその瞬間のお買い物を追いかけるよりも、もっと生活に根差した、毎日来てもらえるような、そんなお店になりたい。その上で、一見さんでも来てくれたら楽しんでもらいたい。そんな順番に物事を考えているんです。

 だから、海外のお客さまと触れ合うのなら、その海外のお客さまの住んでいらっしゃる場所にお店を出して、生活の中で触れ合いたい。そんなことを考えています。

 といいつつ、特に御徒町のお店はもうオープンから5年も経ちますので、海外のお客さまも日に日に増えているように見受けられます。すごい時には1日の8割のお客さまが海外からということも!

 次回のコラムでは、海外のお客さまに人気の商品をご紹介したいと思います。


(更新 2016/6/16 )


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プロフィール

鈴木正晴(すずき・まさはる)

 株式会社日本百貨店・代表取締役社長、ディレクター兼バイヤー。1975年神奈川県生まれ。1997年東京大学教育学部卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。アパレル関連の部門で、海外とのビジネスを多く経験する中で、国内の“モノ づくり”文化に根差したすぐれものをより広いマーケットに広める一助となりたいと考え、2006年3月伊藤忠商事を退社。2006年4月に株式会社コンタン(現・株式会社日本百貨店)を立ち上げる。2010年12月には東京・御徒町に、日本の優れものを集める小売店“日本百貨店”を オープン。食・雑貨・衣料雑貨など、全国から様々なこだわりの商材を集め、作り手と使い手の出 会いの場を提供している。著書に「日本百貨店」(飛鳥新社 2012/12)