高知と言えば!ミレービスケット!!これも旅の中で見つけました
高知と言えば!ミレービスケット!!これも旅の中で見つけました
エイイチさん
エイイチさん
鈴木さんおすすめ 日本百貨店「鑢(やすり)のワタオカ 爪やすり/かかとやすり」のご購入はこちらから
鈴木さんおすすめ 日本百貨店「鑢(やすり)のワタオカ 爪やすり/かかとやすり」のご購入はこちらから

 日本全国の作り手の方々に出会いに、方々渡り歩く毎日。月の半分は東京にいません。

 日本百貨店の1店舗目は2010年12月、東京・御徒町の2k540という、モノヅクリの街の中に作りました。そのお店の準備の時は、日本のいいものを集めたお店を作ろう!という発想だけが先行して、何をどうやって仕入れればいいのか全くわかりませんでした。もともと小売りの商売をしていたわけでもないので、すべてが手探り。不用意に職人さんを訪ねていって怒鳴られたこともありました。誰かが何かを紹介してくれると聞けば駆けつける。おいしいものを食べたら、裏の生産者表示を見て電話して会いに行く。道の駅に行けば隅から隅まで眺めて買えるだけ買って、駐車場の車の中で試食する。コネもお金もないので、地道にツナガリをつくってきました。

 一つひとつ、完全オーダーメイドのツナガリ。日本百貨店が一番大切にしていることです。

 こんな風にいろいろな地域を訪ねていると、「日本語」を意識することが多くあります。たとえば地名。どうして千葉と高知で、同じ地名がたくさんあるのかな、なんてその土地の歴史に思いをはせたり、何の気なしに地元の方が使っている方言が、胸に刺さったり、気持ちをほっとさせてくれたりします。

 初めて高知に行った時の話。ちょっと僕、珍しく落ち込んでいたのですが、その日に知り合ったヒトが、飲みながらバンバンと僕の背中をたたいて、「マサハル、なんちゃないきに!!!」と声をかけてくれました。

 なんちゃないきに。素晴らしい言葉です。今でも何か気重なことがあると、「なんちゃないきに」とつぶやきながら頑張っています。

 それから何年も経つのですが、その言葉を発してくれたエイイチさんとは、いまだに兄弟づきあいをしています。地元の親分みたいなオッサンで、高知の夜の街を歩くと、若い子たちがあちこらから「エイイチさん、オス!」「エイイチさん、オス!」とあいさつしていきます。普通なら付き合えないこんなオッサンとも、一つの言葉を通して一生の付き合いが生まれました。

 大体何があってもなんちゃないきに、なんちゃないきにと言ってくれるエイイチさんですが、さすがに一度だけ、エイイチさんに借りた車で、出発3秒後に駐車場の縁石に乗り上げ、全く車が動かなくなってしまった時だけは無言でした。その節は失礼いたしました。