日本百貨店 店内の様子
日本百貨店 店内の様子
お客さまとお話しするスタッフ
お客さまとお話しするスタッフ
賑わいをみせる「しょくひんかん」
賑わいをみせる「しょくひんかん」
日本全国のおいしいものが集まっています
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作り手と一緒に店舗を盛り上げるミノシマ店長(中央)
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鈴木さんおすすめ タネイのショルダーバッグのご購入はこちらから
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 1人で事業を始め、4人で日本百貨店をスタートし、そして今、40人以上の仲間が支えてくれるお店になりました。普段モノヅクリの作り手側のヒトをご紹介するこのコラムですが、今回は我々のスタッフ、売り手=伝え手側のヒトについて、お話ししたいと思います。

 作り手と使い手の出会いの場、日本百貨店ですが、そこにもう一つ加わるのが、我々、売り手です。売り手は、作り手がいない時にはその伝え手として、作り手の考えを理解し、モノとその背景について伝えることを仕事としています。また作り手が店頭にいるときは、そのサポーターとして、そしていちファンとして、使い手との出会いの場に同席させていただいています。非常に責任を感じると同時に、役得といいますか、良い勉強をさせていただける立場にいます。

 私が取引先さんと商談する場所も、なるべく店舗での待ち合わせを心がけています。一つは取引先の方にお店をしっかり見てもらいたいというコト。もう一つは、売り手である我々スタッフと一人でも多く、触れ合っていただきたいというコト。商売は人間関係がすべてと考えています。大好きな取引先さんの商品なら、だれが作っているのかわからない商品以上に一生懸命売るというのが人情じゃないでしょうか。そんな発想は、ほんとはだめなのかもしれませんが、私はそのほうが人間らしくて素晴らしいことだと感じます。

 日本百貨店をオープンして以来、ずっと私がバイヤー(仕入れ係)を務めています。ヒトとの出会い、そしてそこから生まれるモノとの出会い。でもお客さまはそのモノに一番最初に触れるわけですから、ここがぶれちゃいかんと強く感じていて、何を仕入れるにしても、私が必ず見て体感して、というのを頑固に守ってきました。日本百貨店の入社面接に来る子たちは必ずと言っていいほど「バイイング(買い付け)の仕事をしてみたい!」というのですが、そのたびに、最初からそこではなく、まずは販売員として、しっかり与えられた仕事が出来てからだよ、という風に話してきました。その一方で、自分だけ(大変だけど)楽しい仕事をしちゃってていいのかなあという気持ちや、お客さまの気持ちが分かるのは毎日店頭でお話しさせていただいているスタッフじゃないかなという思いもありました。そこで最近、思い切って希望するスタッフに少しずつバイイングの仕事を割り振るようにしています。

 秋葉原に「日本百貨店しょくひんかん」という店舗があります。2013年の7月にオープンした、日本百貨店選りすぐりの食品ばかりを集めたお店です。食品=タノシイモノ、タノシムモノ、なので、スタッフみんなで「これがおいしい!」というものを、みんなの合意の上でですが、どんどん仕入れよう!と決め、望めば全員がバイイングできる仕組みにしてみました。そうしたところ、みんな実に生き生きと、私の眼だけでは探せなかったもの、気づかなかった価値、また興味のなかったカテゴリーなど、様々なものを集めてくるようになり、店の賑わいがお客さまの楽しさにもつながる、そんなお店になりつつあります。たとえば日本百貨店一のクセモノスタッフ、タナカが仕入れた、山梨・昇仙峡近くの敷島ワイナリーのワインは、私自身は全く興味のない分野だったのですが、女性客にしっかりと支持されて、いまでは人気コーナーになっています。ミノシマ店長の仕入れた、岐阜のたまり醤油に漬け込んだチーズは、店舗内売り上げナンバーワンを競う商品になり、売り切れるたびに店長のドヤ顔が鼻につきますが、これも私のアンテナでは探しえない商品でした。

 このしょくひんかんをきっかけに、雑貨のほうではよりお客さまに近い、女性の感性を生かした仕入れを行うようにしています。たとえば吉祥寺店の元気者イシツカは、センスはあまりないですが(失礼かな、笑)非常に思いやりのある子で、お客さま目線での商品選びが上手。こんなのあるとイイネという商品がお店に並び始めています。